大いに気になる乗り心地が頭抜けている日本のクルマ。価格相応と言われればそれまでだが、センチュリーは外せない1台だろう。それでいて欧州車にも負けない部分もあるのだ!
※本稿は2023年9月のものです
文/渡辺陽一郎、写真/TOYOTA、ベストカー編集部
初出:『ベストカー』2023年10月10日号
■乗り心地ならやはりショーファーカー!
現行日本車のなかで、乗り心地が最も優れた車種はセンチュリーだ。
試乗を開始して最初に気づくのは、駐車場から路上に降りる段差で、乗員に伝わる振動がきわめて小さいこと。フワフワした柔らかい足まわりではないから、段差を通過したことはわかるが、突き上げ感を小さく抑え込んだ。
路上を走り始めた後も同様で、細かなデコボコからマンホールの蓋を乗り越えた時まで、いろいろな衝撃を柔軟に優しく受け止める。
今の日本車の乗り心地は欧州車に近づき、路面の荒れた街中を40km/h以下で走ると上級セダンでも乗り心地が硬く感じることが多い。速度が高まると快適になっていく。
その点でセンチュリーは、路面の荒れた街中を低速で走っても、快適性を損なわない。日本の道路環境と、クルマの使われ方を見据えて開発されたからだ。現行センチュリーの価格は2008万円と高く、身近な存在ではないが、日本のVIPに寄り添ったクルマに仕上げている。
今後はセンチュリーのSUV仕様も加わるが、エンジンやプラットフォームは異なる。仮にそのSUV仕様が、セダンのセンチュリーで味わえる日本の道路に適した優しい乗り心地を備えていなかったら、「センチュリー」を名乗る資格はない。
●次点にくるのは?
次点は燃料電池車のMIRAI。モーター駆動のスムーズさと相まって、頭抜けた乗り心地のよさを発揮する。
■「オレ史上最上の乗り心地」体験
自分史上最上の乗り心地と思うのはBMW i7(BEV)。氷の上をツーッと滑っているような感覚。路面の荒れたところでちょっとした振動が出ても、その微弱な突き上げが逆に心地いいという凄さでした。
(編集部・飯干)
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