「停止線に合わせるのはノーズ? タイヤ?」知らないと恥ずかしい交通ルール

バスの発進を妨害することは違反

 また、(知ってか知らずか)意外と守られていないと感じるのが、バス停に停車中のバスが発進しようとする際のルールです。道路交通法第31条では、「停留所において乗客の乗降のため停車していた乗合自動車が発進するため進路を変更しようとして手又は方向指示器により合図をした場合においては、(略)当該合図をした乗合自動車の進路の変更を妨げてはならない。」と定められており、後方からきたクルマは、バスが走行車線に戻るのを妨害してはなりません。違反すると、反則金は(普通車の場合)6000円、反則点数は1点です。

 バス停で止まる路線バスが前を走行していると、どうしてもスムーズに走行することが難しくなるため、追い越していきたい気持ちは分からなくはないですが、ルールを知らなかったり、知っていても守らないというのは、ドライバーとして恥ずかしいこと。自分がバスに乗っている、もしくはバスのドライバーの気持ちになって、道を譲るようにしたいものです。

バス停に止まっているバスが、右ウインカーを出して発進しようとしていたら、後方から来たクルマはその通行を妨害してはならない(PHOTO:写真AC_nkm03)
バス停に止まっているバスが、右ウインカーを出して発進しようとしていたら、後方から来たクルマはその通行を妨害してはならない(PHOTO:写真AC_nkm03)

左折で右車線に入ってはいけない

 左折先の車線が2車線以上ある場合、左折したクルマは、もっとも左の車線に入る必要がある、というのも意外と守られていないルールです。道路交通法第34条第1項には、「車両は左折するとき、あらかじめその前からできる限り道路の左側端に寄り、かつ、できる限り道路の左側端に沿って(道路標識等により通行すべき部分が指定されているときは、その指定された部分を通行して)徐行しなければならない」と明記されており、左折先が2車線以上ある場合に左折のタイミングで右寄りの車線に入ることは、「できる限り」してはいけないのです。

 「できる限り」ですので、右寄りの車線に入ったとしても、違反ではないものの、マナー違反であることは明らか。左折先で右車線に入りたいときも、いったん左折をした後で、落ち着いてレーンチェンジをするようにしたいものです。

間違えやすい標識は、覚え方を知っておこう

 また、交通標識で混同しやすいのが、青地に白矢印の「一方通行」と、白地に青矢印の「左折可」。何度覚えても混同してしまい、交差点で左折可の標識に出くわし、「どっちだったっけ??」と冷や汗をかく、という人も多いようです。

 この左折可の標識に関しては、矢印信号と同様に考えると覚えやすいです。矢印式信号では、「赤(もしくは黄色)だけどこの方向には進むことができる」として、矢印が青で標示されます。これと同じで「青矢印は進んでいい」と覚えれば、(白地に)青矢印の左折可は進むことができる、と覚えられるのではないでしょうか。

一方通行の標識と混同しやすい「左折可」の標識。矢印式信号と同様に「青矢印は進んでいい」と覚えてほしい(PHOTO:Adobe Stock_ meow_creation)
一方通行の標識と混同しやすい「左折可」の標識。矢印式信号と同様に「青矢印は進んでいい」と覚えてほしい(PHOTO:Adobe Stock_ meow_creation)

◆      ◆     ◆

 しっかりとルールを把握していても悩ましいのが、信号のない横断歩道を歩行者が渡ろうとしているとき。もちろんクルマは歩行者の通行を妨害してはならないのですが、歩行者が「先に行ってください」と合図してくれたとき、交通を停滞させないためにも、多くのドライバーが安全を確認したうえで、素早く発進するという判断をするかと思います。ただ、歩行者が「先に行っていいよ」と合図をしてくれた場合も、そのクルマの直後を歩行者が横断するならば、交通違反とされることもあるようです。

 しかしながら、高齢の方や歩行が困難な方、荷物をたくさん抱えている人など、クルマに待ってもらうのは申し訳ない、ゆっくり横断したい、と思うことはあります。近年は、歩行者に「いまクルマに横断を妨害されましたよね?」と確認したうえで、クルマの取り締まりをするという傾向もあるようですが、警察の方々には、こうした状況も考慮して取り締まりをしてほしいものです。

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