■自宅などに保管していたスタッドレスタイヤを再度使用する場合の注意点

昨シーズンまで使用し、自宅のガレージなどに保管していたスタッドレスタイヤを再度使う場合は、実際の交換作業前にタイヤに不具合がないかを必ず確認しておきたい。
まずはタイヤの表面やサイドにひび割れや変形といった劣化がないかを目視でチェック。
スタッドレスタイヤは低温下でも硬くならないよう、夏用のノーマルタイヤと比較して柔らかいゴム素材でできているぶん経年劣化による変形や劣化が進みやすく、それによって十分な性能を発揮できなくなる場合があるからだ。
またスタッドレスタイヤでは、その摩耗具合を知る目安としてノーマルタイヤにもあるスリップサインに加え、冬用タイヤとしての使用限界を示す「プラットフォーム」と呼ばれる段差が設けられているため、ここも必ずチェック。
スタッドレスタイヤは新品時と比較して50%摩耗すると、氷上でのブレーキ性能の低下や雪路・シャーベット状の路面でスリップする可能性が高まるといわれており、その限界点を示す「プラットフォーム」が露出した状態のタイヤは残念ながらもう使用できないと考えたほうがいいだろう。
スタッドレスタイヤの寿命は一般的には約4年といわれているが、たとえ1~2シーズンしか使っていない場合でも、直射日光が当たったり雨ざらしの場所といった保管状態の悪さなどで劣化が大きく進むこともある。
「あまり長い距離を走っていないから大丈夫」などという甘い考えで劣化した冬用タイヤを使い続けることは、そのタイヤが本来持つ性能を発揮できず、雪道などでの事故の危険性があるのはもちろん、燃費の低下やハンドリングの悪化といった、日常使いでのデメリットも多い。
スタッドレスタイヤへの履き替えを自分で行うという人も、可能であればこれらのポイントをディーラーやタイヤ専門店等のプロの目でチェックを受けておけば、ウインターシーズンのドライブがより安心できるものになるはずだ。
■ずっと履きっ放しでも大丈夫!? スタッドレスタイヤを長持ちさせるには

新たにスタッドレスタイヤへを購入するのであれば、可能な限り安全に長く使いたいもの。そのためにはやはり、日頃のケアや適切な使い方が重要になってくる。
とはいえ、スタッドレスだからといって特別な手入れが必要なわけではなく、適切な空気圧を維持するための日頃のチェックや、偏摩耗を防ぐためのタイヤのローテーションなど、長持ちさせるためのメンテンスはノーマルタイヤと何ら変わることはない。
いっぽうで気をつけなければいけないのが、冬用タイヤは気温が高い状態で使用し続けてはいけないというところ。
交換が面倒だからと1年中スタッドレスタイヤを使い続けたり、プラットフォームが露出したものを夏用タイヤの代わりにするといった使い方はやはりお勧めできない。
素材であるゴムが柔らかいスタッドレスタイヤを高い外気温化で使用することは燃費や制動距離の悪化といったデメリットはもちろん、その排水性能の低さから雨の日にスリップしやすいといった危険性もはらんでいるため、やはり春先に暖かくなってきた適切なタイミングでの夏用タイヤへの履き替えは、必ず行っておきたい。
また先ほども少し述べたとおり、取り外したスタッドレスタイヤの保管場所も重要。
可能であれば保管する前に取り外したスタッドレスタイヤを洗浄し、併せてタイヤの状態を確認。保管中は直射日光の紫外線や熱などによる劣化を防ぐための専用カバーをかけておくのも寿命を延ばすのには効果的だ。
より適切な状態での保管を考えるのであれば、日光が当たらず温度変化の少ないガレージ内などの屋内に置くのが最適。予算に余裕があるなら、タイヤ専門店や大手カー用品店などが提供している保管サービスなどの利用を検討するのもありだ。
愛車の足もとを支える大事なパーツであるタイヤ。特に過酷な状況下での使用が想定される冬用タイヤは、安全性の観点からも大事に正しく使いこなしたいものだ。
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