■魅力2:運動性能と乗り心地に優れる
近年はSUVやステーションワゴンであっても、自動車工学の進歩により「荷室がデカいことによる重さや慣性、あるいは開口部が多いことによるボディ剛性の低さ」をほぼ感じさせない場合が多い。だがそれは「ほぼ」であって、「まったく感じさせない」ではない。
しかしバランスのよい3ボックス形状で開口部が少なく、なおかつ低重心でもある4ドアセダンなら、さすがに2ドアクーペほどではないにしても、シュッとした走りと良好な乗り心地を常に堪能できるのだ。またSUVやミニバンと違って「空力性能に優れる」という魅力もある。
■魅力3:車内が静かで臭くないため快適
筆者は現在ステーションワゴンに乗っており、その前はSUVに乗っていたのだが、常に悩まされるのは「ネギのにおい」だ。
ネギ好きの筆者はあちこちで美味しそうなネギを買って帰るのだが、その際、ワゴンやSUVは荷室が独立密封タイプではないため、どうしてもネギのにおいが車室までただよってきてしまい、ゴージャスでワンダフルな気分が台無しになってしまうのである。
しかし独立したトランクを持つセダンであれば、そういったことに悩まされることもない。
またSUVやステーションワゴン、あるいはミニバンはどうしても後方の荷室付近からロードノイズが車内に侵入してくるが、セダンの場合はそれもほとんど感じない。
■魅力4:都市部においても駐車場を選ばない
おもいっきりカントリーなエリアにお住まいな方には関係ない話かもしれないが、都市部においては「駐車場の高さ問題」というのがけっこうある。
外出先で駐車する場合や、自宅がマンションだったりする場合は「立体駐車場」を利用するほかない場合が多く、その際、SUVやミニバンだと「高さ制限の関係で入庫できない」ということがけっこうあるのだ。
しかし、例えば先代トヨタ クラウンの場合でも、セダンの全高はせいぜい1455mm。「1550mm以下」に制限されている場合が多い立体駐車場であっても何ら問題なく突っ込める。ナイスだ。
■大人はちゃんとしているほうがカッコいい!!
セダンという乗り物が今なお魅力的であると考えられる具体的な理由は、ここまでに示した4つだ。
それらはどれもそのとおりなわけだが、それ以前の大前提として「大人は“ちゃんとしてる”ほうが断然カッコいい」という認識が、筆者にはある。そしておそらくは世間一般においても、その認識はあるのではないか。
若者の場合は逆に「ちゃんとしていなければいないほどカッコいい」という認識が、その深層心理にある。
そういった深層心理の現われとして、例えば大昔の学生は学帽をわざとボロボロにして、それをアミダに被った。「ちゃんとしてる」のはカッコ悪いから、体制に組み込まれるのはダサいから、そうしたのだ。
また直近の若者のことはよく知らないが、昭和後期の中学生や高校生は、いわゆるヤンキー層ではない階層の生徒も、どこかで「ツッパリ文化」の影響を受けていた。
これも「ちゃんとしてるのはカッコ悪い」「体制に組み込まれてるように見えるのはダサい」という心理の現われだ。
コメント
コメントの使い方これだからセダンのイメージが“老人の車”になっちゃうのさ