■有言実行の素早い電動化
ボルボと言えば、自動車メーカーのなかでは、電動化に最も早く舵を切ったことでも有名で、『エンジンは4気筒以下で2L以下しか作らない」、「2030年までに完全BEVメーカーとなる」と宣言し、「当面の目標は2025年までに世界販売のBEV比率を50%にする」と鼻息が荒い。
しかし大風呂敷を広げているのではなく、目標達成のための動きは早く9月20日にはディーゼルの全廃を宣言し、2024年の早い段階でディーゼルエンジンの生産を終了する。
現在日本で販売されるボルボ車は、すでにディーゼルはなく、BEV、2L、直4ターボ+モーターのPHEV&48Vマイルドハイブリッド(MHEV)の3種類に集約。つまり、電動化率は100%。
ただしボルボの電動化モデルの代名詞である「リチャージ」、これが曲者だ。
リチャージ=BEVのイメージを持っている人は多いが、「リチャージ=外部から充電可能なモデル」を意味するので、BEVとPHEVともにリチャージの名称が与えられている。
その一方で最新のBEVのEX30にはリチャージの名称はつかない。このことが最近のボルボはよくわからない、と言われるゆえんだろう。
現在日本で販売しているボルボ車でBEVは、最新モデルのEX30、C40リチャージ(ボルボ初のBEV専用モデル)、XC40リチャージの3車種と意外に少なく、PHEVはXC60ほか合計6車種ある。つまり、リチャージと付くモデルは全部で8車種。
■前輪駆動から後輪駆動へ! BEVならではの大改良
最近のトピックとしてはマイチェンでC40&XC40が前輪駆動(FWD)から後輪駆動(RWD)に変更されたことだろう。
両車ともツインモーターのAWDとシングルモーターのFWDをラインナップしていたが、リアモーターを残してRWD化。エンジン車では絶対無理なBEVならではの改良と言える。
そのほかでは、車内でYouTubeが見られるようにOTAによってアップデートを予定するなど積極的だ。
現在はクロスオーバー、SUV、エステート、クロスカントリー、セダンというラインナップを誇るボルボ。
当然狙いは、SUV&クロスオーバー系のBEVの充実となるが、そのあたりも抜かりなし。EX30の上級版、EX90はすでに海外で発売ずみで、あとはいつ日本導入されるかというレベル。ボルボの積極攻勢はまだまだ続くだろう。
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