ZR-Vの内装の上質感が高い!! SUVでもトナーレがアルファロメオらしさを実現できたワケ

■ホンダZR-V e:HEV Z(FF)/90点

基本プラットフォームはシビックと共通。直4、2Lの直噴ガソリンエンジンを使ったe:HEVもシビックと基本は同じで、モーターの制御が秀逸だ。水野さんが付けた点数は……90点!
基本プラットフォームはシビックと共通。直4、2Lの直噴ガソリンエンジンを使ったe:HEVもシビックと基本は同じで、モーターの制御が秀逸だ。水野さんが付けた点数は……90点!

●水野和敏 取材メモ
・基本的なシャシーのよさを感じさせるプラットフォーム設計。リアサスのスタビリティを高め、相対的にフロントの自由度を高めて軽快感を演出する。
・インテリアの造形、トリム類の仕上げは上質。インパネ上端を低く水平基調とすることで前方視界が良好。フロントシートのフィット感、ペダル配置も適正だ。
・e:HEVのモータートルク&パワーの出し方とエンジン回転の上昇がリンクしており、心地よいフィール。

 派手な加飾で押し出し感の強い顔にしたくないデザイナーの狙いはわかるが、ホンダ車というアイデンティティが感じらない。

 インテリアはシンプルだけど上質で高評価。フロントシートは座面が長くしっかりとした着座感。ホールド感もよくいいシートだ。

 操縦性はリアサスの動きを抑えて、相対的のフロントを自在に動かすことで軽快感とスタビリティを高めていることは評価するが、少しリアサスの動きを抑えすぎている。

 もう少しショックアブソーバーの伸び側減衰を緩めてもいい。e:HEVのモータートルクとエンジン回転が同調したフィーリングがいい。

●ホンダZR-V e:HEV Z(FF)主要諸元
・全長:4570mm
・全幅:1840mm
・全高:1620mm
・ホイールベース:2655mm
・最低地上高:190mm
・最小回転半径:5.5m
・車両重量:1580kg
・エンジン:直列4気筒DOHC
・総排気量:1993cc
・最高出力:141ps/6000rpm
・最大トルク:18.6kgm/4500rpm
・モーター出力/トルク:184ps/32.1kgm
・トランスミッション:電気式無段変速機
・WLTCモード燃費:21.5km/L
・Fサスペンション:ストラット
・Rサスペンション:マルチリンク
・タイヤサイズ:225/55R18
・車両価格:388万3000円

■アルファロメオ トナーレに試乗する!!

全体的に操舵が軽いアルファロメオの中にあって、トナーレはひときわ軽い操舵感を持つ
全体的に操舵が軽いアルファロメオの中にあって、トナーレはひときわ軽い操舵感を持つ

 さて、例によってゆっくりと歩くほどの速度で走り出します……。操舵が凄く軽いです。最近のアルファは軽めですが、トナーレは特に軽い。

 低速で走ると、サスペンションバネの硬さを感じます。対照的にショックアブソーバーの減衰力は緩く上手く抜いています。これはガッチリした車体だから可能なセッティングです。車体がしっかりしていないと、このバネは受け止められません。

 操舵に対する左右の荷重は硬めのバネで受け止めるので、シュパッシュパッとシャープに反応します。コーナリング時のロールが抑えられるため姿勢が安定しています。

 バネの硬さを活かすため、ショックアブソーバーの縮み側の減衰力は緩めています。操舵に対する車体の反応がクイックだけど破綻しないバランス。

 これがアルファロメオらしい動きです。ただし、バネが硬いため路面の微小な凹凸は拾い、ザラザラ感は伝えます。

トナーレはアルファロメオらしくスポーティな操縦性を演出。やや乗り心地は硬くなるのは許容範囲だ
トナーレはアルファロメオらしくスポーティな操縦性を演出。やや乗り心地は硬くなるのは許容範囲だ

 30km/hからハーフスロットルで加速をすると、アクセルを入れた瞬間、モーターアシストが効いて“ふ~ぅっ!!”とトルクが立ち上がり、ワンテンポ間をおいてエンジンのトルクが立ち上がります。

 ドライブモードをダイレクトに切り替えると、同じようにアクセルペダルをハーフで踏んでもモーターアシストとほぼ同時にエンジントルクも立ち上がり、加速Gが増加します。このモード切り替えはわかりやすい。

 フルブレーキングを試すと、効きが強烈。ガツッと止まります。さすが、4ポッドキャリパーのブレーキ。ただ、ちょっとフロントが効きすぎる印象です。もうちょっとリアに配分してもいいと思います。

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