「なんでこうなった!?」 開発した人を小一時間ほど問いただしてみたい、でも憎めない「ざんねん」なクルマたち、エピソードを集めた『ざんねんなクルマ事典』『ますます! ざんねんなクルマ事典』(小社刊)。
日本のクラシックカーや絶版車、珍車についての知識にも定評あるモータージャーナリスト、片岡英明氏監修による本書から、タイミングその他もろもろもったいなかった!? 三菱のざんねんなクルマたちを4台ご紹介!
監修/片岡英明、写真/三菱
■軽トールワゴンの先駆になったはずなのに…… 三菱 初代ミニカトッポ(1990~1993年)
●軽なのにキャビンの広いトールワゴン
三菱ミニカトッポは、普通の軽自動車であったミニカの背が高いバージョンで、今でいうところの「軽トールワゴン」です。
背が高いため何かと使いやすく、キャビンも当時の軽としてはかなり広々としていました。
またDOHC5バルブエンジンやフルタイム4WDもあるなど、考えてみればけっこう魅力的だったのですが、当時のユーザーはその魅力に気づかなかったようで、売れ行きはパッとしませんでした。
しかし後の1993年にデビューした初代スズキ ワゴンRを皮切りに、軽自動車はその後トールワゴン全盛時代へと進んでいきます。
ミニカトッポの関係者はさぞ無念だったのではないでしょうか。
・発売年月:1990年2月
・エンジン種類:直3 DOHC
・総排気量:657cc
・最高出力/最大トルク:46ps/5.3kgm
・全長/全幅/全高:3255×1395×1695mm
・車両重量:690kg
・諸元記載グレード:Q2
●ざんねん度:★★★☆☆
■名前が読めない 三菱/ミラージュ XYVYX(ザイビクス・1987~1991年)
●狙いもわからない。
三菱ミラージュXYVYX(ザイビクス)は3代目のミラージュに存在していた謎のグレードです。
3ドアハッチバックですがリアのサイドウインドウはふさがれていて、まるで現金輸送車のよう。そしてなぜか「2シーター」なのです。つまり後部に座席はありません。
で、空いた後部の空間は「クリエイティブスペース」と名付けられました。
デュアルグラストップ仕様とマルチトップ仕様もあり、マルチトップのカプセル内にはテレビモニター付きのシアターステーション等がありました。
しかしあまりにも狙いが奇抜すぎたのか、XYVYXはあまり売れませんでした。無念。
・発売年月:1987年10月
・エンジン種類:直4 SOHC
・総排気量:1468cc
・最高出力/最大トルク:73ps/11.9kgm
・全長/全幅/全高:3950×1670×1410mm
・車両重量:870kg
・諸元記載グレード:1500XYVYX
●ざんねん度:★★★★★
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