かつては「必須」とされていたクルマのエンジンの暖機運転ですが、昨今は技術が進化したことで、「必要ない」とされています。環境保護の観点からも、無駄にアイドリングすることなく、始動したらすぐに走り始めたほうがいい、とされていますが、はたして本当に不要なのか!?? 令和の暖機運転の新常識とは!??
文:吉川賢一
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写真:Adobe Stock、写真AC
エンジンの暖機運転は、基本的には不要
今から20~30年前の純ガソリン車が、暖機運転を必要としていた理由は、エンジン全体へエンジンオイルを行き渡らせることで、冷えきったエンジンを保護することのほか、エンジン全体を暖めることで本来の動力・燃費性能を発揮させるためでした。
しかしながら、近年のクルマは、エンジンオイルの性能向上やコールドスタート時の燃焼技術などが進化したことで、エンジンが冷えた状態で走り始めたとしても、エンジンにダメージを与えることが殆どなくなり、暖機運転は必要がないものとなってきました。そればかりか、暖機運転は、燃料を消費しつつもクルマが動かないことで、トータル燃料消費量を多くする、環境によくないものと捉えられるようになってきています。
自動車メーカーも基本的には、暖機運転は不要としています。たとえば、トヨタは純ガソリン車の暖機運転について「通常、暖機運転は必要ありません。ただし、極端な低温時や、しばらくおクルマをご使用されなかった場合は、数十秒間の暖機運転を行い、ゆっくり発進することをおすすめいたします。」としています。極低温であっても数十秒でOKということなので、寒冷地にお住まいの人であっても、(エンジンの暖機運転としては)出発の何分も前からエンジンをかけておく、ということは必要ないようです。
ただクルマも、人間の身体と同じで、カチコチに固まったままだと動作がぎこちなくなるため、徐々に速度を上げてクルマ全体を暖める「暖機走行」は心がけたいところ。走っているうちにエンジンや排ガスを浄化する触媒なども温度が上がりますので、暖機運転ではなく、ゆっくりと走り始めるほうがいいとされています。
コメント
コメントの使い方必須なキャブ車はおいといて、暖気したがる主因は高い粘度のオイルを温め緩めてから負荷かけたいため。
なぜ粘度高いオイル必要かは、エンジンパーツ毎の隙間をオイルで埋めてたから。昔はね。
今や、0W-20などの超低粘度オイルを純正指定できるほど、現行の国産エンジンは精密なんです。
極低温や放置車以外では、暖気は一切必要なし。煤たまり易いディーゼルやターボなら尚更、やらない事が寿命に直結します。