アウディ「A8」 最小回転半径:5.3~5.5m
アウディのフラグシップセダン「A8」の最小回転半径は5.8~6.0m。ただ、低速時に最大5度まで後輪をステアできる「ダイナミックオールホイールステアリング」をオプションでつけることで、5.3~5.5mまで小さくなります。全長5,190mm、ホイールベース3,000mmと、クラウンクロスオーバーよりもさらに大型ボディ、かつ全グレードがクワトロ(4WD)ですので、タイヤの切れ角などの設計がさらに追及された、素晴らしいモデルであるといえます。
ちなみに、A8よりも小さいA6(全長4,950mm、ホイールベース2,925mm)も、最小回転半径が5.2m(リアステア有の場合)と、ヤリスクロス(5.3m)よりも小さくなります。アウディは意外なほど小回りが効くメーカーなのです。
メルセデスベンツSクラス(W223型) 最小回転半径:5.4m
メルセデスベンツのフラグシップセダンSクラス(W223型)の最小回転半径も5.4mと超優秀。全長5180mm、ホイールベース3105mmですから、前出のアウディA8よりもさらにホイールベースの長いサルーンであり、全グレード4WDですが、リアタイヤが最大10度までステアできるリアアクスルステアリングを標準搭載しているため、5.4mという小さな回転半径を達成できています。
また、ホイールベースを3215mmまで伸ばしたロングボディ仕様(全長は5290mm!!)も、最小回転半径は5.5mに抑えています。メルセデスベンツも、昔から、CクラスからSクラスの全てのラインアップで回転半径が小さいことで有名。欧州メーカー車は、意外にも小回り性能がいいのです。
ヤンワン 「U8」 最小回転半径:1.7m(その場で自転転回可)
中国のBYDが展開するプレミアムラグジュアリーブランド、仰望(ヤンワン)のラージSUV「U8」は、最小回転半径がなんと1.7mです。全長は5,319mm、ホイールベースは3,050mmの巨体には、4つのタイヤそれぞれにひとつのモーターを組み込んだ(いわゆるホイールインモーター)、e4プラットフォームを採用しています。その4基のモーターを制御し、左右のタイヤへかけるトルクを逆にすることで、その場で車体を360度(以上)回転、つまりは、車両中心とタイヤ位置とを結ぶ長さが最小回転半径となるので、約1.7mとなります。
戦車やショベルカーなどの重機が、左右のキャタピラーを逆方向に回して「自転」する動作と同じなので、ヤンワンでは「タンクターン」とよんでいるとのこと。このU8の車両価格は、日本円で2000万円ほど。日本導入の予定はないそうですが、中国にいる富裕層にはヒットしそうなモデルです。
国産車ワーストはトヨタ「ハイラックス」
ちなみに、国産車の中で、最小回転半径ワースト1位は、全長5340mm、ホイールベース3085mmのトヨタハイラックスです(6.0m)。ボディが長い上に、大きなタイヤを装備しているため、フロントタイヤを転舵することがスペース的に辛いようです。最小回転半径だけをみて、クルマを買う人はいないと思いますが、普段運転しているクルマの最小回転半径を知っておくと、次のクルマ選びの際に、ひとつの基準となるかもしれませんね。
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