■生き残りへの道はあるのか?
(TEXT/編集部)
「どうしてSUVに乗らずセダンに乗り続けるのか?」という質問に対しSUV買っちゃうかもな〜という自動車評論家がいるくらいSUV人気は今後もますます高まりそうな気配だが、ならばそんな中でセダンはどうすれば生き残れるだろうか。
かつてのような「マルチパーパス(多目的)カー」としての役割を終えた今、セダンが向かうべきはどの道なのか。次のような方向で考えてみたい。
●スポーツに特化する?
セダンの走行性能のよさはクーペやスポーツカーに次ぐが、そこを突破口にしてスポーツセダン路線を突き進めていくのも一案かもしれない。
現状の国産ラインナップだと、スバルWRX STIおよびS4が2Lターボの4WDスポーツセダンとして、レクサスGS FがコンベンショナルなV8、5L DOHCを載せたラグジュアリー快速サルーンとして存在する。
かつてはランエボやマークIIツアラーV、ギャランVR-4にブルーバードSSSなどスポーツセダンが数多くあったが、この路線に特化するのもありかも。
●セダンながら美しいクーペデザインを採用する?
現行型メルセデスベンツCLSクラス、クラウンやインサイトなどは全体的なシルエットがクーペライクな6ライトデザインが採用されている。
それはVWアルテオンやBMWのグランクーペモデルも同じだが、地味なイメージのセダンも華やかな4ドアクーペ風デザインにすることで独自の存在感を発揮できるのでは?
●目立たない実用車に徹する?
メーカー各社のセダンモデル、プレミオ/アリオンやカローラアクシオ、インプレッサG4、シビックセダンにアクセラセダンなど実用系セダンは熟年世代から根強く支持されている。
また、アクセラセダンなどは米国で1.5L車が若者からエントリーカーとして意外な人気を集めているとか。このあたりにヒントがあるのかも。
■ニューモデルの姿から占う「セダンの新しい風」
(TEXT/編集部)
さて、ここでは今後に登場を控えているセダンの新型モデルに照準を合わせ、セダンの可能性や方向性について考えてみたい。
まずは、上の項で画像を先出しした、マツダが上級FRサルーン市場に再参入するモデルとして2020年の登場が予定されている新型FRセダン。
この市場には、現状ではトヨタと日産の両社しかないため、輸入車ブランドにユーザーが流れてしまっているのだが、それを再び引き入れるためにマツダが満を持して投入するスタイリッシュサルーンだ。
マツダが2017年の東京モーターショーで出展したビジョンクーペで見せた次世代の魂動デザインが採用されることは間違いない。
今年、先行して市販される新型マツダ3セダンを含め、マツダの繰り出すセダンはデザイン面で今後の潮流を作り出す可能性が高そうだ。
続いて今年はカローラセダンがフルモデルチェンジを受ける予定で、カローラスポーツのセダン版として日本でも新たに全幅1700mmを超えた3ナンバー車に生まれ変わることになる。
現行カローラアクシオがヴィッツベースのBプラットフォームモデルであるのに比べ、この新型カローラセダンはCセグとなり、ワイドでスタイリッシュな印象だ。
とはいえ、日本仕様は北米仕様の全幅1780mmよりも控えめな1745mmにおさまるもよう。
写真は北米のスポーティモデルXSEだが、今度のカローラはハッチバック以外にセダンも格好いいモデルとして充分期待できそうだ。
また、2021年にフルモデルチェンジされる予定のレクサスISも国産セダンとして注目しておきたいモデル。
BMW製の直6、3Lターボを積んだモデルが新生IS Fとして復活する可能性が高く、パフォーマンスの面でも低迷するセダン市場にインパクトを与えそうな予感。
スタイルは現行ISからのキープコンセプトだが、スピンドルグリルを中心としたフロントマスクはより迫力を増し、スタイリッシュなプレミアムDセグスポーティセダンとして登場する予定だ。
こうして新型モデルの情報を見るかぎり、セダンもまだまだ捨てたもんじゃないんじゃないか!?
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