坂を下る時にエンジンブレーキを使えば燃費アップ!? ちょっと待って! おじさんがついやってしまう「間違った」下り坂の走り方

坂を下る時にエンジンブレーキを使えば燃費アップ!? ちょっと待って! おじさんがついやってしまう「間違った」下り坂の走り方

 エンジンブレーキを使った正しい下り坂の走り方を知っていますか? フットブレーキだけじゃダメなんです。また燃費がよくなると勘違いしてNレンジに入れていませんか? 絶対やってはいけない下り坂の走り方を解説します。

文/ベストカーWeb編集部、写真/ベストカー編集部、ベストカーWeb編集部、Adobe Stock

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■長い下り坂でフットブレーキしか使わないとえらいことになる!

ブレーキが甘くなるのがフェード現象。ブレーキが踏み抜けてしまうのがベーパーロック現象だ(Imaging L@Adobe Stock)
ブレーキが甘くなるのがフェード現象。ブレーキが踏み抜けてしまうのがベーパーロック現象だ(Imaging L@Adobe Stock)

 大体のクルマ好きは知っていると思うが、エンジンブレーキとはエンジンの抵抗を利用してクルマを減速させることだ。

 タイヤの回転がエンジンのそれを上回った場合、今度はタイヤに対してエンジンが抵抗となり、結果として走行スピードは落とされる。これがエンジンブレーキの仕組み。走行中にアクセルをオフにすると、思った以上に減速する場合があるが、これはエンジンブレーキが利いているから、そうなるのだ。

 では、エンジンブレーキはどのような時に使うのだろうか? 下り坂が連続する区間を走っている際に、路肩に「エンジンブレーキ使用」と書かれた看板があるのを見たことがあるだろう。こうした長い下り坂こそが最も多くエンジンブレーキを使用する場所だ。

 シフトダウンによるエンジンブレーキ、Bレンジにより回生ブレーキを使わず、フットブレーキしか使ったことがない、という人がいるかもしれない。

 たしかにブレーキの利きに関してはフットブレーキのほうがエンジンブレーキより強く、確実な減速が行える。しかし、このフットブレーキには弱点があるのだ。

 エンジンブレーキを効かせず、フットブレーキを多用すると、特に長い下り坂で摩擦による発熱が大きくなり、ブレーキの利きが悪くなるフェード現象やフェード現象が起こったまま、さらにブレーキをかけ続けるとブレーキローターとブレーキパッドの温度が上がり続け、ブレーキフルードが発熱してフルード内に気泡が発生し、この気泡によってブレーキに油圧が伝わらなくなるべーパーロックの現象が起き、ブレーキが効かなくなるケースもある。

 また、エンジンブレーキ、回生ブレーキの利用は、適度に使えば燃費向上になり、クルマの安定性向上やブレーキパッドの節約にもなる。

 下り坂での速度維持などではエンジンブレーキを積極的に利用しつつ、あくまで減速はフットブレーキとの併用が基本と考えよう。

長く下り坂が続くところでは、このような緊急避難所が道路脇に設置されている
長く下り坂が続くところでは、このような緊急避難所が道路脇に設置されている

エンジンブレーキを使うと燃費が悪くなる?

下り坂でエンジンブレーキをかけていると燃費を悪化させると思い、Nレンジに入れる人がいるがそれは大きな間違い
下り坂でエンジンブレーキをかけていると燃費を悪化させると思い、Nレンジに入れる人がいるがそれは大きな間違い

 Dレンジのままでは、アクセルを戻すとエンジンブレーキがほとんどかからず、エンジン回転数はアイドリングにまで低下する。

 長い下り坂やコーナーではエンジンブレーキを使った方がクルマは安定するし、ブレーキパッドの寿命を伸ばすことにつながる。

 特にエアコンを強く効かせている夏場は、エンジンブレーキを使うことで燃料カットをしながらエアコンのコンプレッサーを駆動することができるので有効である。

 よく聞くのは「下り坂でエンジンブレーキを使うと燃費が悪くなるのでは?」ということ。

 それは大きな間違いだ。一定の回転数からアクセルペダルを閉じるとコンピューターが「減速している」と判断して燃料の供給を止める「燃料カット」が作動するため、エンジンブレーキを使ったからといって燃費が悪くなるなんてことはありえない。

 また、下り坂でATのシフトレバーをNレンジに入れて惰性で走らせることで「燃費がよくなる」と言う人がいるがそれも大間違い。アイドリング回転分の燃料は消費し続けているため無駄であるばかりか、ATを傷める行為なのだ。

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