「あおり運転」の危険性が指摘されながら、なぜ一向に減らないのか不思議に思っている人も多いはず。「あおられたという人は他人のことを考えない自分勝手な運転をしてることを自ら宣伝しているようなもの」との自説を唱える国沢光宏氏が警鐘を鳴らす!
文/国沢光宏、写真/AdobeStock(トビラ写真:hakase420@AdobeStock)
【画像ギャラリー】危険極まりない! 厳罰化された「あおり運転」が日本の道路からなくならないワケ(3枚)画像ギャラリー■なくならない悪質な「あおり運転」
ここにきて車間距離を詰めてくる人の数こそ減ったものの、悪質なあおり運転はなくならない。YouTubeを見ていると高速道路で後続車を止めさせるような輩が相変わらず多い。なぜか?
警察にまったくやる気ないからである。むしろ「あおり行為だけ」を悪者にしているため、ワザと追い越し車線をチンたら走る「あおらせ屋」の増加を招いている。警察の姿勢、間違っていると思う。
警察の根本的なカン違いを挙げるなら「クルマを運転しているのは人間」ということを完全に忘れていることにある。確かに免許を取得するハードルが高い航空機などであれば、操縦者の人格まで含め「良識ある人」に対する啓蒙をすればいいと思う。
されど自動車の運転免許は、犯罪歴があっても「運転がヘタだから」と開き直るような人であっても取得できてしまう。
なのに、警察の動きを見ているとあおり運転をする輩に対しても、あおらせる原因を作っているドライバーに対しても、運転免許を持っているのは聖人君子だけのような対応をしている。
犯罪者や空気を読めない社会親和性の乏しい人間がハンドルを握っていると考えないのだった。あおり運転に対する警察の対応を見ると、もはや減らそうと言う意欲をまったく感じさせない。
■必要なのは防犯意識を持つこと
警察のあおり運転に対する文言を見れば、あおり運転をやめましょうという内容ばかり。前述のとおり、運転免許は犯罪歴があっても取得できる。人格や精神状態の精査やチェックなどをしていないため、国民そのものと言ってもよい。
泥棒や痴漢、粗暴者だって含まれている。泥棒に「泥棒やめましょう」と言っているのと根っこはまるで同じ。じゃあ泥棒を捕まえる警察はなんと言っているのか?
「家を出る時は鍵をふたつ以上締めましょう」。宝石店などに対しては「防犯ベルなどセキュリティ面はキチンと対策を」と啓蒙している。車両盗難だってキーをつけっぱなしにしていたら「なんで?」とイヤミを言われる。盗んだほうが悪いのに!
若い女性が夜道を薄着で歩いていて犯罪に巻き込まれたら、被害者であっても冷たい対応をされる。防犯意識を持てと言うことです。
あおり運転もまったく同じ。犯罪歴のある人だってクルマを運転している。もっといえば、ゴールド免許を持っていない人は前科こそつかないけれど、すべて道交法違反という犯罪行為をしているのだった。
常識的に考えたって「やるな!」じゃなく「防犯意識を持ちましょう」だと思う。警察にはあおり運転をされないような運転を推奨していただきたいと強く強くお願いしたい。
対策はとても簡単だ。考え方はたったひとつでいい。「他人を怒らせるな!」です。どんなことをしたら怒るかは、自分で考えれば誰にでもわかることだろう。警察が「人に怒らせるようなことをしてもいい。怒るほうが悪い!」と大きな声で言うからあおり運転は減らない。「怒らせないように」と言ってくれれば、イッキにあおり運転は減り、快適な運転環境になることだろう。
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