「なんでこうなった!?」 開発した人を小一時間ほど問いただしてみたい、でも憎めない「ざんねん」なクルマたち、エピソードを集めた『ざんねんなクルマ事典』『ますます! ざんねんなクルマ事典』(小社刊)。
日本のクラシックカーや絶版車、珍車についての知識にも定評あるモータージャーナリスト、片岡英明氏監修による本書から、名作として名を残すも、またはスマッシュヒットを記録したものの、はたまたスバリストのハートをガッチリ掴んだものの消えてしまった、スバルのクルマ4台をピックアップ!
監修/片岡英明、写真/スバル
■超こだわりの軽だったが軽自動車規格の変更に対応する余裕がなかった スバル ヴィヴィオ(1992-1998年)
●世界ラリー選手権でクラス優勝も果たした超名作
1992年に登場したヴィヴィオのキャッチフレーズは「シンプル・リッチ」。つまりヴィヴィオは、シンプルでありながらも「自動車としての質の高さを備えた軽自動車」という位置づけでした。
そのためサスペンションは4輪独立懸架方式で、エンジンも、当時の軽自動車は3気筒が常識であったのに対し、ヴィヴィオは商用グレードを除く全車に電子制御マルチポイント燃料噴射付きの直列4気筒を採用。
さらにスポーツグレードのMT版には4バルブDOHCヘッドとインタークーラー付スーパーチャージャーを備えた高性能エンジンも設定しました。こちらはなんと世界ラリー選手権でクラス優勝を果たしています。
しかし1998年8月に軽自動車規格が変更されると、スバルは新規格に合わせて背を高くした「プレオ」を発売。
もう1車種、「2代目ヴィヴィオ」を用意するだけの経営的な余裕はありませんでした。そのためヴィヴィオは、惜しまれながら1代限りで消滅してしまったのです。
・発売年月:1992年3月
・エンジン種類:直4 DOHC+スーパーチャージャー
・総排気量:658cc
・最高出力/最大トルク:64ps/10.8kgm
・全長×全幅×全高:3295×1395×1375mm
・車両重量:710kg
・諸元記載グレード:1997年式 RX-R
●ざんねん度:★☆☆☆☆
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