■トヨタ86&スバルBRZ vs アバルト 124スパイダー&ポルシェ ケイマン
(TEXT/国沢光宏)
トヨタ スバル 86/BRZ
価格:243万~496万8000円
●イタリアの暴れ馬!? 124スパイダーと勝負!
アバルト124スパイダーはロードスターの兄弟車である。FCAグループも期待するモノがあったのだろう。デビューと同時にラリー車として仕立て、WRCに送り込んできた。
アバルト124スパイダー
価格:398万6000~409万3000円
しかし! ベース車両としてのポテンシャルは低かった様子。すぐFCAとしての大規模バックアップ体制をやめてしまう。そういえば日本でも124スパイダーの話題、ほとんどないです。
全国5千万人読者を持つベストカーにもデビュー当時だけ少し登場したのみ。私も久々に記事として取りあげている状態。スペック的には86/BRZを凌いでいると思う。
出力の170馬力こそ86/BRZに届いてないものの、トルクが25.5kgmもある。だからこそ山野哲也選手は全日本ジムカーナで素晴らしい結果を残しているのだろう。WRCじゃ戦えないが、全日本ジムカーナだと速い!
●ポルシェ・ブランド、あのケイマンとの勝負は!?
一方、ケイマンは圧倒的なスペックを持つ。ベースモデルで300馬力。0~100km/hは5.1秒。最高速だって275km/hと素晴らしい! それでいて673万円というプライスタグを付ける。
ポルシェ ケイマン
価格:673万円
考えてほしい。100台限定販売だったGRMN86は649万円。内容といえば「ポルシェに迫る走りの味」という評価。私も「トヨタもポルシェのようなクルマが作れる!」と褒めた。
でも、673万円でホンモノが買えるなら、熱烈なトヨタ好きか86ファンじゃない限りソチラを選ぶでしょう。逆に考えたら86をベースにいいクルマを作ろうとしたら、ポルシェと同じ価格になっちゃうということです。
以上まとめると、86/BRZは「価格に見合った性能ですね」ということ。総合評価すれば、86/BRZはアバルト124スパイダーに勝ち、ケイマンだと負け。
●判定(vs 124スパイダー)…地味めの124にはクルマの存在感などで86/BRZの勝ち!
●判定(vs ケイマン)…最高出力300ps、価格673万円で圧倒され86/BRZの負け!
■三菱 アウトランダーPHEV vs MINI クロスオーバーSE All4&ボルボ XC60 T8
(TEXT/国沢光宏)
●車格は違うがどうか!? ミニのPHEVと勝負
ミニのPHEV、思ったよりずっとお手頃な価格で日本に入ってきた。何よりエンジンが136馬力とパワフル! モーター出力を合わせたシステム出力で224馬力ある。
三菱 アウトランダーPHEV
価格:393万9840~509万40円
MINI クロスオーバーSE ALL4
価格:498万円
アウトランダーPHEVも発電用エンジンを2Lから2.4Lに排気量アップしてきたものの、システム出力は190馬力程度に留まる。車重がミニPHEVの1770kgに対し、アウトランダーPHEVは1900kg。
乗り比べたら明らかにミニPHEVのほうがスポーティ。「どちらが楽しい?」と聞かれたらミニPHEVと答えそうになるけれど、やはりアウトランダーPHEVの総合的な商品力って凄いと思う。
人気のSUVでありどこでも走れる4WDだし、そのうえで快適な電気自動車。弱点を挙げるなら「もはや新鮮味は薄れましたね」。この点さえ気にならなければアウトランダーの勝ち。
●コストが別次元! ボルボXC60 T8と一戦
ボルボXC60のT8は924万円と、フル装備のアウトランダーPHEVが2台買えてしまう。
ボルボ XC60 T8
価格:924万円
乗り比べてみたら、どちらも同じDセグメントに属す車格なのだけれど、もはやクルマ作りの基本からして違う。
XC60 T8のサスペンション、大半の部品がアルミでウナるほどお金かかってます。アウトランダーPHEVは普通の国産車と同じコスト重視の作り。
これでいい勝負ができる乗り味や質感を実現できていれば、三菱自動車は世界制覇できる。
もちろん環境性能だけで比べたら、アウトランダーPHEVの勝ちです。現行モデルなら50kmくらい電池だけで走れ、電気代は夜間電力なら120円くらい。XC60 T8だと30km少々だ。
この点を価値観とする人なら、アウトランダーPHEV凄いということになるだろう。結果、価格差を考えたら引き分けですね。
●判定(vs ミニクロスオーバー)…総合的商品力でアウトランダーPHEVの勝ち!
●判定(vs ボルボXC60 T8)…価格差を加味すると、ボルボXC60 T8とは引き分け
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