■トヨタ クラウン vs VW パサート&ベンツ Eクラス
(TEXT/鈴木直也)
●日本市場重視のクラウン、人気欧州車2台に挑む!
クラウンのユニークさはいまどき珍しく国内市場にフォーカスしたクルマ作りをしていること。こんな贅沢が許される高級車はクラウンだけ。歴史と伝統、そして膨大な既納顧客の存在が、貴重なローカル固有種を絶滅から守っている。
トヨタ クラウン
価格:460万6200~718万7400円
そういう意味で向くベクトルが異なるゆえ、クラウンを欧州プレミアムと比較するのは難しいが……、パサート、Eクラスと対戦するとどうか!? 勝てるのか?
●クラウンの魅力、パサートとEクラスの上をいく!?
割安に感じてしまう。これが最初の印象。クラウンの対抗馬は最高級車種のTSI Rラインで約520万円。EクラスだとE200アバンギャルドの721万円。
VW パサート
価格:333万9000~588万9000円
ベンツ Eクラス
価格:721万~1841万円
対するクラウンは、ハイブリッドSが約475万円。このあたりを選んで乗り比べると、なぜクラウンが生き残っているのかがよくわかる。
パサートは典型的なドイツ製セダンで、硬めのシート、カチッとした乗り心地など、おなじみの欧州テイスト。
対するクラウンは、「ニュルで鍛えました」とか言ってるものの、その乗り味は微妙にゆったり系。快適さのスイートスポットがより低速域にあって、日本で乗るならこちらのほうが好ましく感じるように作られている。
さすがにEクラスは快適さのスイートスポットが広く、全域でクラウンに勝っているが、その代わり価格が200万円以上高い。
コスパ重視なら、クラウン2連勝でいいと思います。
●判定(vs パサート)…日本で乗るならパサートより日本製。クラウンの勝ち!
●判定(vs Eクラス)…全域で勝るが、コスパ重視ならクラウンの勝ち!
■日産 リーフ vs VW e-ゴルフ&ジャガー I-PACE
(TEXT/中村孝仁)
●普段使いでは勝てそう!? VW e-ゴルフと勝負
日産リーフ対VW e-ゴルフ、結論から言うとこの勝負、リーフの勝ち。
日産 リーフ
価格:324万3240~472万9320円
VW e-ゴルフ
価格:499万6000~534万9000円
理由は2つ。ひとつは航続距離。最新のリーフは大容量の62kWhバッテリーを搭載し、実質的に350kmは走れる(メーカー公表値はWLTCモードで458km)。
一方のe-ゴルフ、容量が35.8kWhだからその差は歴然。それでいて価格的には安いから、これはリーフが有利。
もうひとつの理由は充電ステーションの数と充電用カードの値段。ゴルフだと月々5200円で全国の充電ステーションが使い放題というが、リーフなら月々2000円。
ゴルフだって日産ディーラーでの充電も可能だろうが、間違いなく気が引ける。そんなこんなを勘案すると“使い方”でもリーフの勝ちとなる。
細かく走りの具合や乗り味などに言及すればゴルフのよさもあるのだが、EVを買うにあたり、何を最優先するかといえば、僕はその利便性、即ちガソリン車並みに気軽に使えるかどうかである。この点でリーフが上をいっている。
●厳しい戦いは必至! 対ジャガー I-PACE
リーフの次戦の相手はジャガー I-PACE。こちらの勝敗はつかず、だ。
ジャガー I-PACE
価格:959万~1312万円
高いとはいえリーフは500万円以下。もろもろ入れてもそれで収まる。一方ジャガーの場合、一番安いのを買っても乗り出しでは1000万円を超える。この価格差は埋めようがない。
とはいえ I-PACEは電動四駆だし、90kWh容量のバッテリーを積んでモーターのパワーだって400ps、71kgmとずば抜けている。動力性能で戦うのは厳しい相手。
ただ I-PACE、充電に要する時間はリーフと同じだし、やはり日産ディーラーへ行き充電をお願いするには気が引ける。
つまり今ピュアEV購入の決め手は急速充電ステーションの普及の話を避けて通れない。今回の対決で、改めてそれを認識した。
●判定(vs e-ゴルフ)…航続距離の長さ、使い勝手のよさなどでリーフの勝ち!
●判定(vs I-PACE)…クルマの出来では不利だが、今回は引き分けとなった
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