■BEV移行期の発電用エンジン
アルファード級のミニバンを500km走らせる電池となれば、下を見て500kgになってしまう。だったら300km分(300kgということになる)は小型で軽量の発電用エンジン積めばいいということ。
航続距離を確保できるだけじゃなく、北海道のような寒くて雪の降る地域だと暖房や、大雪のなかの激しい渋滞でのサバイバル性能を確保できる。現実的な「解」だと思う。
今後、BEVの販売シェア拡大とともに、エンジンの生産規模は急速に小さくなっていく。多くのメーカーがBEVに舵を切ってます。
そんななか、BEVへの移行期にニーズ出てくるだろう発電用エンジンを作るというのもトヨタが主張する「マルチパスウェイ」の一環だと思う。発電用エンジンだってマルチフューエルに対応させておくことで、バイオメタノール使える。
これまた私の予想なのだけれど、BEVの時代は必ず訪れるものの、いつになるかの予想となれば非常に難しい。豊田章男会長が言うところの「二酸化炭素という敵」はイッキに全滅させようとしても難しい。さまざまな道から攻めていくべきだと思う。
今回トヨタが開発している2つのエンジンは「クルマの夢」と「クルマの実用性」を追求するため非常に興味深いです。
(TEXT/国沢光宏)
■東京オートサロン2024でのモリゾウさんの発言
カーボンニュートラルへはバッテリーEVだけじゃないと、3年前から水素エンジンにも取り組んできました。昨年は、液体水素に挑戦したり、ル・マンで走らせたり……なぜ、ここに力を尽くしてきたか? それは、仲間と一緒じゃないと未来を作っていけないからです。
550万人の中にはエンジンの部品を作っている仲間たちもたくさんいます。日本を支え、これからの日本を強くしていく技を持った人たちです。この人たちを失ってはいけません。
ですが、エンジンに携わる人たちは、最近、銀行からお金を貸してもらえないこともあるそうです。そんなこと、絶対にあってはならない……なんとかしていきたいと思いました。
そこで、モリゾウは、トヨタに、あるお願いをしました。カーボンニュートラルに向けた現実的な手段として、エンジンにはまだまだ役割がある! だから、エンジン技術にもっと磨きをかけよう! そういうプロジェクトを立ち上げよう!
佐藤社長以下、経営メンバーたちも、その提案に共感してくれて、新たにエンジン開発を進めていくプロジェクトが、トヨタの中で動き出しました。
この時代にエンジン? 逆行しているように聞こえるかもしれませんが、決して、そんなことはありません。未来にむけて必要なんです。
エンジンを作ってきた皆さん、エンジンを作り続けましょう! これからもみんなの力が必要なんです! 今までやってきたあなた達の仕事を絶対に無駄にはしない! 仲間たちに、この声がしっかり届いてほしいと思います。
ただ……トヨタは大企業……まだまだ時間かかってしまうかもしれません。ご期待いただければと思います。
私みたいに、エンジン大好き! あの音と匂いがたまらない! という人がいます。バッテリーEVがいいなという人もいます。今はハイブリッドだという人もいます。プラグインもあります、水素もあります。動力はなんでもいいんです! 真実はいつもひとつ。敵は炭素ということだけです!
その上で……とにかくクルマが好きという皆さんに、私は伝えたい! 未来はみんなで作るもの! 私はクルマ好きの皆さんと一緒に未来を作っていきたい!
皆さん一緒に未来を作っていきましょう! ありがとうございました。
(トヨタホームページより)
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