■トヨタ現役社員の反応は?
今回のモリゾウ氏の宣言に対するトヨタ社員の反応はどうか? 開発現場の現役社員に伺った。
(以下、トヨタ社員のコメント)
トヨタでは以前から、技術者を育てるため、また技術の継承のためにも「エンジンの開発は続けなければならない」という意識は強く、手を緩めることなくエンジンを開発し続けてきました。ですから、会長の発言は「あえて声にした」という印象が強いです。
開発中のエンジンの一例を挙げれば、2Lで400ps級の過給エンジンがあります。目標とする性能に達していて、熟成もかなり進んでいるのですが、今のところ搭載するクルマがありません。
モータースポーツでもこのエンジンを使えるカテゴリーがなく、「作ってはみたものの……」という状態です。
ことスポーツエンジンに関しては、一般的な市販車に搭載するのではなくGRMNモデルに特化していくのかもしれません。量産エンジンにするのは難しいでしょうね。
一方で、実用的な環境に優しいエンジンももちろん開発していて、こちらは大きな可能性があります。「敵は炭素でエンジンではない」というのは誰が考えても正論です。この姿勢が「普通」になってほしいですね。
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