2024年1月、JAXAの無人月面探査機「SLIM」が月面に着陸したという嬉しいニュースが駆け巡った。月までの距離はおよそ38万km。「キロメートル」と聞くとクルマ好きの血が騒ぐ……愛車の走行距離「38万キロ」は達成できるのか!?
※本稿は2024年2月のものです
文/ベストカー編集部、三木宏章、写真/ベストカー編集部
初出:『ベストカー』2024年3月10日号
■38万km走破の旅路は過酷だが、不可能ではない
2024年1月20日、JAXAをはじめ日本が一丸となって取り組んだ無人月面探査機・着陸機であるSLIMが月面着陸に成功。さらに月面にピンポイントで着陸させ、目標地点100m以内の誤差55mに着陸させた。
これにより、日本としては史上初、世界で見ると史上5番目に月面着陸に成功した国となった。さらに月面ピンポイント着陸については史上初の快挙であり、2024年最初のビッグで明るい話題だったといえよう。
そんなSLIMが目指した月だが、地球から38万4400km離れた上空に浮かぶ。クルマに置き換えると、相当な距離を走ることになり、気が遠く感じられるだろう。ただ、一昔前、人類が月面に行くことが夢物語だといわれていたように、クルマも約38万km走破は夢じゃない!
ということで、今回は「月まで愛車で行ったるぜ!」の気持ちで、クルマを長持ちさせるための一工夫、知識をメンテの達人、三木氏とともに振り返ろう!
■愛車にやってはいけない乗り方・使い方アレコレ
一般的にクルマは10万kmを走破したら個体としては充分に走ったほうと見られる値で、ガタが出るし乗り換えも視野に入る距離だ。だがしかし! 月を目指そうものなら10万kmで降りるなど甘い! 約4分の1ほどしか到達していない! 月を目指すなら、まず日頃の使い方から見直そう!
●停止状態でのハンドル操作
駐車場などで停止した状態でハンドルを回転させる、いわゆる“据え切り”はNG行為の代表格。コンパクトカーでも1トン程度の重量があり、1つのタイヤに300kg以上の荷重がかかっているので、そんな状態で操舵すればタイヤのトレッド面が削れてしまうのは明白。
それにステアリング機構やブッシュ類にも多少なりともダメージがかかる。そこで駐車時など、クルマを少し動かしながら操舵するテクニックを身につけておこう。
・やっちゃNG度:★★★
●タイヤと輪止めの接触
駐車場に止める時、クルマのタイヤを“ドンッ”と輪留めにぶつけてないかい? さらに、その状態で停車する行為は、あまりよろしくない。
というのも輪留めに“ドンッ”と接触させると、タイヤやサスペンションに衝撃がかかり、さらにそのまま駐車すれば力が加わった状態のままになる。そこで輪留めに接触したら、少~しだけクルマを動かしてやるクルマへの心づかいも大切なのだ。
・やっちゃNG度:★★★
●“急”がつく操作全般
急発進や急ブレーキ、急ハンドルなどの“急”とつく操作は、タイヤやサスペンション、ステアリング機構、ボディなどに瞬間的な負荷がかかるのでNG!
急な操作をしたからいきなりクルマが壊れるなんてことはないし、例えばサーキットのような場所なら全開で楽しむべきだが、それによって部品の消耗が早まることも頭に入れておくべきだ。
・やっちゃNG度:★★★★
●短距離のチョイ乗り
クルマは動かしてこそコンディションを維持できる。そのため、長く乗るならば月数回や年数回しかクルマを動かさないというのは論外だが、「買い物や送り迎えで定期的に乗っているよ」という場合も注意が必要。いわゆる“チョイ乗り”だ。
その大きな要因がバッテリーで、ハイブリッドカーだろうが、純粋なガソリンエンジン車だろうが、エンジンを動かすことでバッテリーを充電しているので、数km程度のチョイ乗りでは充分に電力を充電できず、だんだんとバッテリーが弱ってしまうことがあり得る。
また、エンジンには適切な温度があるが、数分程度のチョイ乗りでは、適正な温度まで温まらないことも……。そこで月に1回や2回は、30分以上はクルマを動かしてあげよう。
・やっちゃNG度:★★★★★
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