■「先の先を読んだ仕事」をエンジニアはすべきだ
水野:発進駆動力が大きいクルマだから私はそこまで神経を遣い、操作や安全設計をやってきました。だからGT-Rの暴走事故って起きていないはずだし、サーキット走行などでもエンジンコントロールは容易なはずです。
フェル:確かに。
水野:それがクルマを設計する者の先の先を読んだ仕事。パワーのあるクルマを設計するということは人の命や操作性に対し、エンジニアがどこまでユーザーに配慮や思いやりを持つか。
フェル:そこまで気を遣っていたということですね。
水野:そう。だから電動車は、発進時トルクを5.00〜6.0kgmくらいに抑える「ノーマル」と、「パワー」というふたつのモードが切り替えられるスイッチをつけるべきなのよ。それは法規でそう決めるべきだとも思う。
また、現在は視力と認知症の検査だけしかない高齢者免許の更新にも「足の検査項目」を追加することが絶対必要!
これはペダル位置を捉える「足の位置認知機能と急ブレーキ時の踏力確保のための脚力の検査」。
すごく簡単ですぐできること、つまり「免許試験場にある階段に30cm間隔のガムテープを張って、この間隔のなかで階段を5段以上登れる試験」を追加するだけ。
フェル:だとするとクルマだけでなく制度にも責任があると。
水野:もちろん、制度そのものに責任ある改定をしてほしいのと、メーカーもモーター搭載車を作る際、ペダル配置についてもメーカーの技術的配慮を付け加えることが大切だと思う。
(次回、後編は7/23に掲載予定)
コメント
コメントの使い方