■Part3:見知らぬタグに追跡されていたらどうなる?
さて、ここからが今回の検証の本題だ。もし見知らぬタグに追跡されている場合、どうなるか? クルマに置き換えるなら、愛車に誰かのタグを仕掛けられたまま運転していた想定だ。
北の丸公園で検証中、泥棒兼追跡される役に私のタグを持たせている。この場合、本来は泥棒役のスマホに「トラッキング通知」という、タグと一緒に移動しているぞという警告が表示する。どこにつけられているか、音を出してタグを探ることもできる。実は、過去私もこの警告が表示されたことがある。
通知が出る条件は揃っているハズ。意気揚々と泥棒役に電話をして確認したが、何の通知も出なかったという。なぜ!?
予想と違う結果に悩みながら、自宅に帰ってから数時間後。突然、泥棒役のiPhoneにタグのあの通知が表示された! 出るまでの時間がかかったけど、サードパーティー品でも追跡対策がキチンと機能していることがわかり、ホッとした。
●Part3 検証結果
・純正品:通知が入る仕様だが、今回の検証では再現できなかった
・サードパーティー:2、3時間ほど遅れて通知がiPhoneに入った
■Part4:タグが手元から離れた時、どうなる?
最後の検証は、検証パート3の逆パターンとなる。この検証では実際にクルマにタグを積み込み走ってもらう。検証はよりひと気が少ない秋ヶ瀬公園で行った。
協力者にクルマで出てもらった後、スマホの反応を見守ったが……どちらのタグも反応しなかった。
反応がない理由は、どちらも通信にBluetoothという近接通信の技術を使っているためと見られる。
つまり、身の回りに電波をキャッチできるスマホ(※このスマホは誰のものでもいい)がいないことには位置情報を拾えず、情報が一向に更新されないという仕組みだ。
追跡用タグの位置情報はネット経由で専用サーバーに集約させるため、その位置と精度は、追跡用タグの周辺にいる赤の他人が持つスマホの有無と、その数に依存する。人が多い場所なら頼れるが、対照的に人口の少ない地方部になると追跡が厳しくなるかもしれない。
■純正もサードパーティー品も意図せぬ動きを把握するぶんには使えるぞ!
駆け足となってしまったが、以上の結果から、クルマの窃盗防止や防犯に役立つか? 総評を表にしてみた。参考になれば幸いである。
今回の検証で最も注目したのは追跡対策についてだった。メーカーで対策済みと明言している純正はともかく、サードパーティー品はその点未知数であり、万が一その機能がなければ盗む側も盗まれた側にも超強力なタグとなりかねなかった。
そうだとしたらこの企画のオチをどうつけようか、検証中ハラハラしたものだが、検証でどちらも対策がされていることがわかった。
タグに過信はNGだが、盗難対策済みだけど保険としてタグを導入するのも悪くない気がする。これをどう判断するかは、読者一人ひとりの判断に委ねたい。え、私ならどうするって? 私は愛車に1つ積んでおこうと思います!
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