【閑話休題】3、5はあって7はない!? 奇数気筒のフシギ
3気筒は大注目なのに直列5気筒は廃れ、V型7気筒となると見たことすらない。そのあたりの「奇数気筒問題」について、自動車評論家の鈴木直也氏に聞いた。
「ピストンがガソリン燃焼で動く際の振動を打ち消すのが、他のピストンの振動。互いに振動を打ち消しあっているわけですね。で、気筒数が奇数になると振動が打ち消せないので『バランサーシャフト』が必要になってきます……という話以前に、4気筒を超えると横置きが難しくなる、つまりFF向きじゃないので、必然的に絶滅傾向にあるわけです。ん? なんで『V7』がないか、ですか? え~と、わざわざV7るなら、V8でいいと思いません? そういうことです(笑)」
■クルマ用じゃないけど…… 世界にはヘンテコなエンジンだらけ!? 変わり種エンジンその5
こうしてみると自動車用エンジンというのは比較的オーソドックスだが、自動車用以外にはかなり変態的なエンジンも存在する。まず上の図版は、「スターリングエンジン」が特許を申請する際に添付されていた図。
スターリングエンジンというのは「シリンダー内のガスまたは空気などを外部から加熱・冷却し、その体積の変化により仕事を得る」という方式の外燃機関。19世紀後半にはすっかり廃れたが、省エネの観点から今も一部で研究は続けられている。
下の宇宙生物のような図版は「ネイピア・デルティック」の模式図。3クランクシャフト対向ピストンエンジンで、上下対向ピストン式の直列6気筒を3つ組み合わせ、三角シリンダーの18気筒/36ピストンとしたド変態エンジンだ。
最後は、1950年代にアメリカが開発した航空機用原子力エンジンを搭載するために作られた試作機(下)。さまざまな問題が多すぎて結局は実用化されなかった原子力飛行機だが、「世界中どこでも爆撃しに行けるように」なんてことを考える人類というのは、本当にド変態なのかもしれませんね……。
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