受注を再開した日産 アリア。それとほぼタイミングを同じくして2024年6月に発売が予定される日産 アリアNISMO。最高出力アップに専用ドライブモード追加、足まわりにもチューニングを受けた走りのEVフラッグシップをドライブしてきた!!
※本稿は2024年3月のものです
文/国沢光宏、写真/大西 靖、NISSAN
初出:『ベストカー』2024年4月26日号
■アリア受注再開! 同時にNISMOモデル登場
塗装工程の不具合により目標を大きく下回る稼働率だったアリアとフェアレディZなど生産する栃木のインテリジェントファクトリーが、やっと本来のパフォーマンスを発揮し始めたという。
生産できないため発売直後に受注を停止したアリアが、めでたく受注再開になった。日産からすればアリアの売れゆきに手応えを感じていたんだろう。120万円の値上げをしている。
ちなみにアメリカは同じタイミングで90万円値下げした。このあたり、少々理解に苦しむ。
閑話休題、NISMOである。販売再開のタイミングで走りの楽しさを追求したスポーツモデルを追加してきた。電池容量多いB9だとオプション付けて諸費用払えば1000万円コース。確かにスカイラインやフェアレディZのNISMOなど見ると、高くても飛ぶように売れていく。
アリアにNISMOを設定すれば瞬時に売れると考えているのだろう。実際、日産東京など発売前から「NISMOは抽選販売になります」と言っている。
ということでアリアNISMOだ。標準車との相違点は、バンパー下側などのエアロキットやリアスポイラー、専用タイヤ&ホイール、素材や色合いを変えた内装、モーターの出力アップと、それに伴うセットアップ、足回りなどとなる。
■アクセルを踏むと驚くほど速い!
早速試乗してみました。走りの味は1980年代の901運動の時から日産車の味付けをしてきた神山さんが仕立てただけに、バランスのよいスポーツモデルといったイメージ。
レカロや対向ピストンのブレーキまでは使わないけれど、走り出した瞬間から「これは楽しいね!」と思わせてくれる。ガチガチのスポーツモデルにすると、気軽に乗れなくなるし、奥さんだって嬉しくない。
適度にスポーティならシャッキリして快適だ。しかも電気自動車だから、街中走ってもストレスなし。とはいえ客観的に見ると前後モーターが生み出す出力は435ps! タイヤだって255/45R20と充分なサイズを持つ。
アクセル踏むと驚くくらい速いです! そしてハンドル切ったら、首を持って行かれるほどの横Gを出す。筑波サーキットを走らせるとノーマルで1分8秒台とのこと。
また、スポーツモードを選ぶとスピーカーから電気自動車的な音を出す。具体的にはフォーミュラEの音を模したものらしい。無音より何か音を出したほうが楽しいと思う。
個人的にはいろんな音(エンジン音なども案外面白い)が出るようにしたら一段と楽しいように思う。1000万円を気軽に出せる人は、通勤の相棒として乗ってもいいんじゃなかろうか。
ライバルは間もなく日本上陸するヒョンデの『アイオニック5 N』。システム出力609psで価格は1000万円。筑波サーキットを1分3秒台で走るそうな。
●アリアついに全グレード発売
アリアNISMO発表と同時に、既存の「B6」(66kWhバッテリー)の受注を再開。さらにB6の4WDモデル、91kWhバッテリーを積む「B9」の2WDと4WD車の、2024年3月下旬からの発売がアナウンスされた。
NISMOではない通常モデル中の最上級グレードであるB9 e-4ORCEプレミアは、先進運転支援システムの「プロパイロット2.0」のほか、専用20インチアルミホイール、本革シートなど、特別な装備を標準で備える。これからは街でアリアを見かける機会も増えそうだ。
●アリアNISMOのポイント
・出力435psはベースのB9(394ps)に対し10%向上。367psのB6ベースも用意
・専用のNISMOモードで加速力アップ
・サスやスタビライザーを専用チューン
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