今やブーム真っ只中なのに……期待が大きすぎた  悲しい運命をたどった[SUV]4選

■ランエボのSUV版ともいえる「三菱エアトレック」は登場した時代が悪かった!?

SUVブームなのに!? 期待が大きすぎた!! 悲しい運命をたどったSUV4選
ミニバンの使いやすさとステーションワゴンのスポーティな走りを融合するとともに、SUVのオフロード走行性能もあわせ持つ“スマートオールラウンダー”としてデビューしたエアトレック

 RVの走破性と乗用車の居住性を両立し、既存のRVを超える次世代クロスオーバーSUVとして2001年6月に登場したエアトレック。

 “スマートオールラウンダー”をコンセプトに開発されたエアトレックのパッケージは広い居住空間と確保するべく2625mmのロングホイールベースが採用されるとともに、16インチの大径タイヤなどによって195mmの最低地上高も確保。シート着座地上高も600mmに設定することで、楽な乗り降りも可能にしたSUVであった。

 また、全高を1550mmに抑えて立体駐車場に入庫できるような配慮がなされるなど、現代のSUVに通じる新しい都会派SUVとしての側面も持ちあわせていた。

 インテリアも運転席と助手席間のウォークスルーや6:4分割式リアシートを採用するなど、日常的な使い勝手も良好であった。

 一方、走りの面でもこだわりのスペックを有し、2.4LのGDIエンジンにシフトタイミングの最適制御を図りつつドライバーの違いに対応する学習制御を導入したINVECS-IIスポーツモード4ATを採用。4WD車にはVCU付センターデフ方式フルタイム4WDも設定されるなど、魅力的な装備も充実していた。

 その後、2002年6月にはランエボ譲りの2L4G63インタークーラーターボモデルが追加され、2003年1月には大型前後バンパーや車体のリフトアップ、精悍なフロントマスクや大型ルーフレールなどRVテイストを施したスポーツギアを発売するなど進化を果たしたエアトレックだったが、2005年に後継モデルに当たるアウトランダーの登場によって生産終了。

 三菱自動車のリコール隠しが問題になったタイミングと販売時期が重なっていたこともあって不発に終わったエアトレック。それだけに現在の中古車市場でもタマ数は極めて少ないが、平均価格は70万円前後と割安感は高い。

■見た目も走りもスポーティだった「マツダCX-7」は図体のデカさが仇となった

トライ&エラーこそがマツダの魅力! 今だからこそ絶賛したい、あのクルマ
マツダCX-7。スポーティさがウリのSUVとして2006年に登場

 スポーツカーとSUVの特徴を融合させたスポーツクロスオーバーSUVをコンセプトに、2006年12月に発売されたCX-7。

 同年5月に北米市場で販売を開始し、その洗練されたスタイリングや優れた走行性能などが好評を博していたCX-7は、「アドバンスト・フロンティア」をデザインコンセプトとしたスポーツカースタイリングを実現。

 インテリアも搭乗者にはゆったりとしたくつろぎを提供する室内空間を提供しつつも、ドライバーにはスポーツカー特有のコックピットに座った時の高揚感を演出するなど、内外装ともにスポーティさを強調する仕上がりが大きな特徴でもあった。

 エンジンはCX-7専用にチューニングされたMZR 2.3LのDISIターボエンジンを搭載。2000rpmから4500rpmまではほぼフラットに最大トルクを維持し、最高出力を5000rpmで発生させるなどクラストップレベルの加速力を実現。

 スポーツカーらしい走りをより際立たせる6速ATのアクティブマチックを全車に標準装備するなど、まさにマツダらしい「Zoom-Zoom」を体現した走りの楽しさも提供した。

 また、CX-7における特筆点として忘れてならないのは、最先端の安全技術によってクラストップレベルの安全性を実現したことだ。

 4輪アンチロックブレーキシステム・電子制御制動力配分システム・トラクションコントロールシステム、駐車支援システムを全車に標準装備するとともに、衝突時の衝撃エネルギーを車両全体に分散させながら吸収することによってキャビンの変形を抑える高剛性・安全ボディのMAGMAを採用。

 車両本体価格も306万~366万円と比較的リーズナブルだったが、海外市場を意識したボディがやや大柄だったことなどが災いしてセールスは伸び悩み、2012年に販売終了。

 不人気車だったこともあって現在の中古車市場でもタマ数が少ないCX-7だが、平均価格は60万円前後と手が出しやすい状況にある。

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