見かけによらず超じゃじゃ馬!! 唯一無二の3ローター搭載市販車 ユーノスコスモの衝撃が忘れられん!!

優雅なスポーツクーペなんだけど走りは超じゃじゃ馬!! そして燃費は極悪

 この有り余るトルクを受け止めるシャシーはというと、イマイチキャパ不足が否めなかった。豪快なホイールスピンも、タイヤの接地変化をもう少し抑えるサスジオメトリーにできていればずいぶんと穏やかにできたのだろう。

 そんなわけで山道ではちょいとばかりアクセルの踏み方に気を遣う必要があった。タイトターンの立ち上がりでアクセルを不用意に踏み込むとスパンとリアタイヤが流れ出す。雨の山道ではなおさら右足の力加減に神経を尖らせたものだ。優雅な姿に似合わぬじゃじゃ馬ぶりだった。

サーキットならばこんな走りも豪快だが、シビアなアクセルワークが求められた。特にウエットの山道は慎重に走ったものだ
サーキットならばこんな走りも豪快だが、シビアなアクセルワークが求められた。特にウエットの山道は慎重に走ったものだ

 ロータリーエンジンは燃費の悪さがこの当時は指摘されていたが、コスモの20B3ローターはとにかく燃費が悪かった。当時の10モード燃費で6.1㎞/L。ヤタベでの動力性能テストでは、冗談ではなく燃料計の針がみるみる減っていく動きがわかるほどだった。当時の記録を見るとヤタベの往復区間を含めて満タン法による燃費は2.5km/L。普通に箱根を往復するような取材でも4~5km/L前後だった。うーん、今の感覚からすると恐ろしい数字だ。

上質なインテリアトリムやシート表皮を採用し、マツダ最上級スポーティクーペとして優雅でプレミアムな雰囲気を醸し出した。世界初のGPSカーナビ搭載車を設定
上質なインテリアトリムやシート表皮を採用し、マツダ最上級スポーティクーペとして優雅でプレミアムな雰囲気を醸し出した。世界初のGPSカーナビ搭載車を設定

 そしてもうひとつ、ユーノス・コスモの「初めて」はGPSによるカーナビシステムの搭載。GPSの精度が現在ほど高くなかったこともあって、箱根スカイラインを走っているのにナビ画面では芦ノ湖の中にいるようなこともあった。なんたって34年前だからねぇ。

 そんなユーノス・コスモは1996年6月をもって販売を終了。3ローターエンジンも同時に姿を消したのだった。

最上級の20B「タイプE]にCCCSと呼ばれたGPSカーナビを装着すると価格は530万円(1990年登場時)だった。ルーフ後端の出っ張りはGPS受信アンテナ
最上級の20B「タイプE]にCCCSと呼ばれたGPSカーナビを装着すると価格は530万円(1990年登場時)だった。ルーフ後端の出っ張りはGPS受信アンテナ

20B タイプS:420万円 タイプE:465万円

13B タイプS:330万円 タイプE:370万円

【画像ギャラリー】優雅ななりして超じゃじゃ馬!! 後にも先にも3ローターの市販車はこいつだけ。ユーノス・コスモは初めてづくしの意欲作だった(11枚)画像ギャラリー

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