■落下物回収は命がけ? NEXCOが模索する路面清掃車
高速道路上の落下物は、主に交通管理隊の隊員が回収している。常に二人一組で行動し、回収作業は一人の隊員が旗を振り存在を知らせつつ、クルマの流れが途切れたところでもう一人の隊員が回収に向かう。100km/hで走行するクルマの間を縫っての回収作業は命がけだ。
そこでNEXCO中日本が模索しているのが、車両に乗った状態で落下物やゴミを回収できる路面清掃車だ。写真で紹介しているこちらは2021年に試験導入された新型路面清掃車。
ドイツ製のマルチパーパス車Hako「M31H」に、オーストリア製の吸引装置などを取り付けている。路肩を40km/hほどで走行しながら、ゴミを発見すると徐行。ゾウの鼻のようなノズルを上下左右に動かして、それを吸い取ることができる。
吸引力の関係で、前のページで紹介したトンデモない落下物などは吸い込むことはできないが、ペットボトル、空き缶、布、ビニール、ゴム類といった軽量な物であれば、作業者が危険な車外に出ることなく回収ができるという優れモノだ。
将来的には、もう少し大きな物でも回収できる技術が開発されるだろうから期待したところだ。
NEXCO各社では、交通管理隊、保守点検や工事に従事する作業者が巻き込まれる事故を少しでも減らす、またはダメージを軽減するさまざまな技術開発を進めており、都度メディアにも公表している。
■道路上で落下物に当たっても100:0じゃない!?
高速道路上での落下物による交通事故の場合、過失割合は過去の判例を参考にすれば、前走車(積み荷を落下したクルマ)、後続車(被害を受けたクルマ)の割合は60:40となる。
自分は悪くないじゃないか!? と思う人もいるかと思うが、前方不注意、車間距離、速度などが問題になるため、後続車も過失を取られることになるのだ。
ただ、この割合については、事故発生のタイミングが夜間であったり、降雨などで視界が悪い場合、追い越し車線上での事故である場合は、落下物の発見や回避が容易ではなくなるため、積み荷を落下させた前走車の過失が上乗せされる可能性がある。
ちなみに、速度が遅い一般道では、落下物に気付いて急停止したり、進路を変えて避けることが高速道路よりも容易なことから、後続車のドライバーにも同程度の責任があると判断され、一般道の場合は落下物による交通事故は、50:50あたりが基準になるそうだ。
■高速道路だけじゃない! 一般道でも気を付けたい危険なもの
●過積載車
「君子危うきに近寄らず」ということわざがあるが、クルマを運転している時の“危うき”の最たるものが、「過積載車」だ。
過積載車のなかでも特に危険なのが、最近SNSなどでも話題の、解体した家屋の廃材を荷台から大きくはみ出した状態で積み、一般道を走行しているトラックだ。
営業ナンバーを付けているトラックは、最近過積載の取り締まりが厳しく、万が一取り締まられた場合、荷主、事業者、運転者が処罰対象となるため改善しているが、白ナンバー(自家用車)のトラックは、明らかに違法だろうという状態でも利益優先で走っているケースが横行している。
●電動キックボード
クルマ側は近寄りたくないのだが、勝手に近寄ってきて事故の原因になるのが電動キックボードだ。
16歳以上であれば運転免許不要(16歳未満は運転禁止)で乗れることもあり、特に都心部ではシェアサービスを利用する若者が多い。
しかし、免許を持っておらず、交通ルールなんて知ったこっちゃない人だったり、自転車や電動キックボードに乗ると、途端に道路交通法を忘れてしまったかのように振る舞う免許保有者が多いため、道路上で近寄りたくない……というドライバーが多い。
連休になると、休みだからと羽目を外し、終電を逃した利用者が深夜乗ることも多くなる。特に注意したい時期だ。
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笑って済まされないのが落下物だ。トラックだけでなく、ルーフキャリアに脚立やスノーボード、サーフボードなどを積む人なども、後悔する前に、今一度積み方に問題がないかを確認してもらいたい。
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