2023年に発表されるや否や、クルマ好きの間で「なかなか手に入らないのでは?」と噂されたランドクルーザー250シリーズ。ようやく発売が開始されるとその予想は的中したようで…。その最新事情を探ってみたい。
文:古賀貴司(自動車王国)/写真:ベストカーWeb編集部
■消費者が自由に購入できないという売り手市場
世の中、いつから消費者と販売者の立場が逆転したのだろう。そう思えてくる事象が最近はよく散見される。欲しくもない鞄や腕時計を定期的に購入し続けることで「上客」と認定され、ようやく世間で人気の商品を“売ってもらえる”という、まさに売り手市場が局所的に発生しているのだ。
クルマだと一部の高級輸入スポーツカーで発生しているが、日本車なら安心…と思っている人も多いだろう。しかし、最近はそうでもない。半導体不足の影響が未だに続いているのか、転売屋が横行しているのか、はたまた純粋に需要が旺盛なのか。とにかく一部のトヨタ車が買いにくい、という現状がある。
プリウス、アルファード/ヴェルファイア、ランドクルーザー300、ランドクルーザー70、そして新しく登場したランドクルーザー250(旧名:ランドクルーザー・プラド)は新車で買いにくい、という状況が続いている。
■海外では希望小売価格を上回る値段で販売中の250
最新モデルとなるランドクルーザー250は、ディーラーにて「面談申込書」なるものがあって、入学願書ばりに購入動機を紙面にしたためることも可能だそうだ。
思い起こせば筆者もGRカローラの購入する際、抽選申し込みサイトにて購入動機なるものをライターのプライドにかけて筆をしたためた。詳しい期間までは覚えていないが転売しない旨、誓約書にサインもさせられた。
だが、ランドクルーザー250ほど厳しくはなかった。というのも、1年以内の売却を阻止するためにランドクルーザー250ではローンでの購入を余儀なくされているからだ。それでも日本在住者は恵まれているのかもしれない。
というのも、ディーラーにてオプション装備の選択を強めに推奨されることはあっても、日本における新車には定価が存在するからだ。所変わってアメリカでは早速、ランドクルーザー250がメーカー希望小売価格を遥かに上回る価格で販売されていることが話題になっている。
ランドクルーザーシリーズは日本が誇る、本格クロカンである。その実力はニュースで目にする国連の話題において、世界の僻地における活躍ぶりが伝わってくる。
■シリーズ中には新車価格より高いモデルも…
そんなランドクルーザー・シリーズの中古車市場に目を向けてみても、その人気ぶりに驚かされる。
例えば、2010年式のランドクルーザー プラド2.7TXは新車時価格400万円弱だったものが、走行13万kmながら200万円ほどで流通している。この値落ち率、比較対象としては適していないかもしれないが、フェラーリカリフォルニアと同等である。
ランドクルーザー200は5年前よりも高値で流通していて、ランドクルーザー300やランドクルーザー70(2014年の復刻版以降)は新車時価格よりも高値で流通しているのだ。
ランドクルーザー・シリーズでは、年式や走行距離を問わず、それぞれの価格帯において根強い需要がある。また、海外からの引き合いも強いからこそ、このような中古車相場を形成しているのだろう。そう考えたら、ランドクルーザー シリーズは新車で“売ってもらえたら”ラッキーなクルマと呼べるかもしれない。
相次ぐヒット作による需要増はトヨタにとっては望ましいことだろうが、トヨタディーラーのセールスマンが売り手市場に慣れ過ぎて、消費者に損在にならないことを願うばかりだ。
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