クルマは年々進化しているが、稀に「これ退化じゃないの?」というようなことも起きる。そこでオッサンが頭にくる、「最新モデルだからこそ起きる不都合あるある」をまとめてみた!
文:ベストカーWeb編集部/写真:Adobestock(トビラ写真=Hixel@Adobestock)、ベストカーWeb編集部、VW
■タッチ操作に目を奪われる
最近のクルマは、コストの問題なのか流行なのか分からんが、操作をタッチパネルに集約しがち。確かにこのタッチパネル、スマホのように操作できてカッコいいのだが、物理スイッチのようなブラインド操作が出来なくて困る。
たとえばエアコンの温度を下げたいとき。温度調整がダイヤル式の物理スイッチなら、ほんの一瞬、スイッチに目をやりさえすれば、あとはブラインド操作で温度を変えられる。
ところがタッチパネル式だと「+-(プラスマイナス)」のソフトボタンを複数回タップして(または押し続けて)温度を変えるものが多い。しかも画面の一か所に正確に触れなければならないから、どうしてもモニターを注視してしまいがちなのだ。
時間にすればわずかだが、運転中はなにが起こるか分からん。クルマの重要な操作系は物理スイッチのほうが安心度が高いと思うのだが……。
■窓開けると雨がどばー!
近ごろのクルマは空力がスゴイ。とにかく空気をスムーズに流して抵抗を減らし、燃費(EVなら電費)を高めることが重要なテーマだからだ。
その結果、クルマのボディは突起物をなくしたヌメヌメボディになっているのだが、困るのが雨の日だ。何気なくパワーウインドウを下げた瞬間、ルーフの雨がどばーっと車内に流れ込んだりするのだ。
昔のクルマは、このどばーっを避けるため、ルーフの端っこにレインモールという「雨どい」を設けていた。最新型車は空気抵抗削減のために(というか風切り音のもとになるから)こいつを取っ払っちまったのだ。
車内でタバコを吸う人は、こういう時のためにドアバイザーを付けることが多いが、最近はもっと目立たない後付けのレインモールが売られている。雨で濡れたくない人はこいつを取り付けてもいいだろう。
■パンク修理キットは修理した後がめんどい!
上記と同じく燃費を高めるために、最近のクルマは重いスペアタイヤを積んでいない。
その結果、トランクやラゲッジの床下には、味気ないパンク修理キットが置かれることになった。「タイヤ外してジャッキアップする手間がなくなったじゃん」と支持する人もいるかもしれないが、これはこれで結構面倒なのだ。
まず修理剤を充填してコンプレッサーで空気を入れる作業。パンクの原因になったクギなどは抜いちゃダメだし、修理剤がタイヤ全周に行き渡るよう、クルマはタイヤバルブが真上に来るように停めたほうがよい。
さらに修理剤を入れるためには、タイヤバルブのバルブコア(いわゆるムシ)も外さにゃならんし(これを避けるためコンプレッサーの空気で修理剤を送り込むタイプもある)、そもそもこの作業は応急措置だから、遠からずディーラーなどでタイヤ交換が必要になるのだ。
そのタイヤ交換も大変だ。「パンク修理剤を使ったタイヤは廃棄」というお店が多いうえ、ホイールの内側にこびり付いた修理剤を除去するのにも手間がかかる。さらにパンク修理剤も買い直しておかなければならないから、結構な出費になるのだ。
いかがだろうか。この他にも、一部のハイブリッド車がバッテリーあがりの救援ができなかったり、熱源のないバッテリーEVが空気を暖めるのに苦労するなど、最新型のクルマにだってそれなりの不便はある。新車買ったぜとテンション上がっている人も、十分気を付けたい(負け惜しみ)。
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