約3万あると言われているクルマのパーツの中でも、唯一路面と接していて、最も重要なパーツとも言われているタイヤ。重要なパーツであるから良いモノを装着したいが、値段も気になる要素だ。良いモノならば高いのか? そうでもないのか? タイヤの値段はなぜ異なるのか? その理由を紹介していく。
文:西川昇吾/写真:AdobeStock(トップ画像=promolink@AdobeStock)
■タイヤの価格に影響している要素
まず、タイヤの価格は様々な要素によって変わる。材料費は当然関係してくるし、製造にかかるコストや研究開発費も関係大あり、また海外で製造しているタイヤならば輸送費なども大きく変わってくる。
ここ最近は世界情勢の変化により、天然ゴムや石油化学系の材料が値上がりしたためタイヤの値上がりも時折話題に上がっていた。スタンドやカー用品店、タイヤショップなどで「来月から値上げ!」みたいな説明やポップを見た人もいるのではないだろうか?
原材料という面で考えれば、同じタイヤでも求めた性能によって使用している材料が異なる。少し前までは合成ゴムが主流だが、近年は再び天然ゴムが使われていたりする。求める性能によって使用する原材料は異なる訳だから、一概に良いタイヤだから高いとは言えないのだ。
■テストや新技術も様々
またタイヤのニューモデルに注目して言えば、新技術を採用すればそれだけ開発費用も高くなる。
また、開発に関してもタイヤによって内容は異なる。スポーツ系のタイヤで言えばサーキットでのテスト走行の機会も多いし、オフロード系のタイヤは悪路での走行機会も増える。スタッドレスタイヤやオールシーズンタイヤは寒冷地や積雪地でのテスト走行だって必要だ。
このように開発や新技術の採用だけ見ても、コストのかかり方はそれぞれだ。なので一概に求める性能を無視して「高いタイヤが高性能! 」ということにはならない。
例えば、同じサイズであればスタッドレスタイヤの方が高くなることが多いが、夏場のオンロードでスタッドレスタイヤは快適に走れるだろうか? 普通のサマータイヤに比べてロードノイズだって気になるし、ステアリング操作時の剛性感の無さも不快に思うはずだ。
タイヤはクルマや使用シーンによって最適解が異なる。性能を求めて単純に高いタイヤを購入するのではなく、自身のカーライフから求める性能を考えて、求める性能に優れたタイヤを選ぶのが最適なタイヤ選びと言えるだろう。
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