故障やエンジン、ミッションに足回り 塗装…… プロが語ったプロだからわかる意外な評価

■このほかにわかった「意外な評価」

●究極の走りと作りをアピールするR35GT-Rだが、意外なウィークポイント

 数多くの第2世代GT-Rと、現行型GT-Rの整備を手がけている神奈川県横浜市の「緑整備センター」に聞いたところ、「気になるのは偏摩耗があってタイヤの内減りが早くなっていること。それくらい。ただ、2011年モデル以降は急速によくなっていて、特に初期モデルにあった発進時のジャダーがヒドいといった症状は最近ではなくなり、大きく改善されている。一部でオイルシェルでも問題が出ていたのだが、現在はサス、エンジンマウント、ミッションマウントのほぼすべてが改善されている。

 ただし、強度不足のものも依然として存在しており、8000km走行したくらいでカムのクランクスプロケットが異常摩耗する個体もあるようだ」

●RB26DETTの意外な評価

 こちらも緑整備センターに聞いたところ、「R34GT-Rまでは鋳鉄ブロックだったからエンジン暖気に時間がかかったのがまずひとつ(R35GT-Rはアルミブロック)。もうひとつは標準ブロックがどうしても弱かったということ。さらに、このブロック自体にも『いい』『悪い』があって、オーバーホールする時に部品をオーダーしてダメなブロックだった場合には突っ返すこともあるね」

●トヨタ86の意外なダメな点

 ベストカーのラリーカーである86を担当しているモンスター東名横浜の長田聖人店長に聞いた。

「まずはリアデフの温度ですね。富士で20周もすると160℃を超えてしまうんですから。オイルクーラーくらいはつけていないとね。それとタイヤを取り付けている時のクリップボルトが折れやすい点。熱に対する耐久性がイマイチですね」

86はリアデフの温度に問題があり、富士で20周も走行してしまうと温度が160℃を超えてしまうのだとか
86はリアデフの温度に問題があり、富士で20周も走行してしまうと温度が160℃を超えてしまうのだとか

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【番外コラム】もう時効!? トヨタ86をチューンしているチューナーが語ってくれたハナシ。

「チューニングしていてつくづく思うのはコストダウンして作られたクルマだってこと。まずはマフラーの取り回し。リフトアップしてわかったんだけど、ノーマル車とはいえスポーティな性格のクルマならある程度きれいなパイプの曲げ方をするもんだけど、86はほぼ直角に、しかもパイプの内側がつぶれるようなラフな曲げ方をしている部分があるんだよ。もう排気効率をまったく考えていないような取り回しで、しかもサスペンションアームのような力のかかる部分の配管についても変な曲げ方をしている。コストをケチったんだろうな。それと6速MTのトリプルコーンシンクロ、このうちのひとつが樹脂製で耐久性が低いんだ。もちろん、開発陣としては上層部を納得させるため徹底的にコストを抑えて発売のゴーサインを取りつけるために涙ぐましい努力をしたということだろうね」

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