【駐車したクルマの下から液体が!?】クルマトラブル一発解消‼これってどこが壊れたの? 

 駐車場などで、クルマの下から液体が漏れているのを見たことはありませんか?

 その液体はどこから漏れているのでしょうか?

 水のような無色、赤、緑、ネバネバした液体など、液体の種類によっても、どこから漏れているのか、おおよそ突き止めることができます。

 その液体はどこから漏れているのか、どんな液体なのか? 状況別によってどこが壊れているのか? モータージャーナリストの鈴木伸一氏が解説します。

文/鈴木伸一
写真/ベストカーWEB編集部 Adobe Stock


クルマの下から水が大量に出ているのを故障と勘違いするクルマ初心者

クルマ初心者が、エアコンから出る大量の水を故障と勘違いするケースもある

 駐車したクルマの下に液体が漏れた痕が……。こんなとき誰しも「冷却水が漏れてるのでは!?」と慌てる。

 しかし、一息いれて冷静になり、どの辺りから、どんなものが漏れているのか、よく確認することが大切。どんな種類の液体が、どの辺りに溜っているかで対処の仕方は変わってくるからだ。

 とはいえ、エアコンが本格的に活躍するこれからの季節。エアコンを使用して走ってきた直後で、かつ溜まっているのが水で助手席の足元付近だったなら、まず心配は無用だ。

 カーエアコンの主な働きである空気の冷却時、それと同時に空気に含まれる水分を取り除く「除湿機能」も発動。

 その除湿された水分がエンジンルーム内を経由して助手席の下回りに排出されるからで、これを冷却水洩れと勘違いしているケースが多々ある。

 試しに、指に付けて光に透かしてみたい。透明だったら間違いなくエアコンから排出された水だ。

 カーエアコンには様々な方式があるが、現在主流となっているのは「エア・ミックス・タイプ」と呼ばれるタイプ。

 吸入された空気は全て「エバポレーター(冷却する部分)」を通過し、エアミックス・ダンパによって「ヒーターコア(暖房する部分)」を通る空気と通らない空気に振り分けられ、その後、混合されてから各吹き出し口に導かれる構造になっている。

空気をブロアファンで取り込んで冷やして車内に送り込む。空気と接触して冷やす部分がエバポレーター。クーラーをかけて駐車しておくと、ポタポタ水が落ちるのはエバポレーターから落ちてきた水

 その空気を冷却する「エバポレーター」はラジエターを小さくしたようなパーツで、細かなフィンがビッシリ設けられていてエアコン作動時、この部分に空気中の水分が凝縮され、水滴となって付着する。

 いわゆる「結露」で、これによって生じた水はエアコンケース底部に溜まる。外気温の低い冬場、暖房をきかせた部屋の窓ガラス内側にはビッシリ水滴が付着し、滴り落ちて窓下に水溜まりが発生する。

 つまり、あれと同じ現象がエアコンユニット内で発生しているわけで、車内に漏れ出たらフロアが水浸しになってしまうため、ケース内に溜まった水分は随時、車外に排出される構造になっている。

 エアコンを使用すると、クルマの下に「ポタ、ポタ」と水が垂れて溜まるのはこのためで、エアコン本体からゴムホースを経由して排出されている。

 排出位置は助手席の足元付近。クルマを手に入れたばかりだと「何かが漏れている」と勘違いしがちだが、エアコン使用時にその周辺に水溜まりができたとしても、なんら慌てる必要はない。

漏れた液体が緑色や赤色だったら要注意!

 ただし、路面に溜まった水にもしも「赤」や「緑」といった色が付いていたら要注意だ。冷却水漏れの疑いがあるからで、ただちに冷却水の点検を行う必要がある。

 さて、クルマには潤滑、冷却、伝達といったさまざま役割を担った液体が使われており、大きなトラブルに発展する前兆現象かどうかは漏れている箇所でおおまか判断できる。

 とはいえ、水かオイル、はたまた別の物質なのかはキッチリ見極める必要がある。液体を少量指に付けて擦ってみて、粘り具合や色、匂いなどをチェックしたい。

 「ねば~」としていればオイル、「サラッ」としていれば水で、色の判断は光に透かし見たり白いウエスに垂らして、匂いは直接嗅いで判断する。

どこから? どんな液体? 状況別故障診断

 さて、液体はどこから漏れているのか? どんな液体なのか? その状況によって、クルマはどんな症状なのか、どこが壊れているのか、紹介していこう。

1/フロントグリルの下近辺

クルマの下から漏れている液体が無色透明ではなく、緑色や赤色だったら冷却液(ロング・ライフ・クーラント:LLC)の漏れだ。漏れやすい箇所にはラジエター本体、ラジエターホース、ヒーターホース、ウォーターポンプなどがある。ラジエター本体は、走行中に石などが当たって穴が空くことがある。ラジエターホースやヒーターホースなどのホース類は、ゴムの劣化によってひび割れが発生することがある。また、ウォーターポンプからは、回転部のガタによって水漏れが発生することがある

 フロントグリルの下近辺に水らしき物が漏れていた場合、青や緑、赤などの色が付いていないかよく確認! 

 色付きの水だったら、まず間違いなく冷却水漏れ。ただちに冷却水量をチェック! もしもロアレベルを切ってしまっていたら、水温計に注目!! 

 半分から上(H側)に振れだしたら「オーバーヒート」の可能性大。上限を振り切る前に停車させ、ロードサービスに助けを求めたい。

2/エンジンの真下

ねば~とした油分だったらエンジンオイルやミッションオイルが漏れている可能性が高い

 液体の漏れで、もう一つ注意しなければならない場所がある。それはエンジンの真下。

 「ねば~」とした琥珀色の油分だったらエンジンオイル、もしくはミッションオイルが漏れている可能性大で、ただちに油量のチェックを行う必要がある。

 しかし、色付きの水がその近辺に漏れていたときは冷却水だ。冷却水はエンジン本体内を循環しているからで、軽傷の場合、漏れ位置周辺はエンジンの熱ですぐに乾いてしまうため、白い漏れ跡が残ってないかを捜してみるとよい。

3/タイヤの裏側近辺

 前後に限らずタイヤ裏に液体漏れを発見したら要注意! サラッとした透明ながら水とは明らかに異なる液体だったら「ブレーキフルード」が漏れている疑いがある。

 そして、もしもブレーキペダルの踏み心地がフワフワと感じるようなら、かなり危険な状態。ただちにプロに点検を依頼したい。

4/センターコンソール付近

 エンジンが縦置きされているFRや4WDのセンターコンソール付近の下面にオイルが漏れた跡が残っていたら、「ミッション」からのオイル漏れの可能性大。念のためプロに点検を依頼したい。

5/リアの左右タイヤの中央

 FRや4WDのリアで、左/右タイヤの中間付近だったらデフレンシャルギヤからのオイル漏れが考えられる。

6/マフラー末端

マフラーから水が出ていることがあるが、これはマフラーの故障ではない

 クルマが正常な状態で、水が排出される箇所はまだある。それはマフラーで、冬場の朝一番にアイドリングさせているときや走り出しに吐く白い煙は「水蒸気」。

 エンジンは完全燃焼すると水がでるからで、バイブ端からはポタポタと水滴も落ちるが、これは放っておいても何ら問題ない。水蒸気が出るということは調子がいいことの証しでもあるからだ。

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