「もしもトランプが大統領に返り咲いたら」と想像してみたこと、皆さんはあるだろうか。「アメリカのことだから関係ないっしょ」と思っている方、危険でございます。これが実現してしまうと、日本の自動車業界のとある部分が大ダメージを被るのです。自分は関係ないと思っているそこのあなた。この記事を読み終えても同じことが言えますでしょうか。
※本稿は2024年6月のものです
文:鈴木直也/写真:AdobeStock ほか(トップ画像=Maria Vitkovska@AdobeStock)
初出:『ベストカー』2024年7月26日号
■「トランプ大統領」が誕生したら自動車業界はどうなる?
ドナルド・トランプ暗殺未遂事件、そして現大統領ジョー・バイデンの大統領選撤退など、混迷を極めるアメリカ大統領選挙(2024年11月5日に実施)は、じつは自動車業界にとってもかなり重要だ。
もし、トランプが返り咲きに成功すれば、民主党が推進してきたカーボンニュートラル政策は後退不可避だし、通商政策は“アメリカファースト”のエスカレートが必至だ。
トランプ支持層には人気のないBEVや再生エネルギーへの補助金はカットだろうし、中国からのBEV輸入はもちろん、米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)すら横やりが入る可能性がある。
たとえば、インフレ抑制法(IRA)の影響で北米に電池工場投資を計画しているメーカーや、カナダやメキシコに生産工場を持つメーカーなど、ほとんどの日系メーカーが影響を受ける。
もしトラ。実現したらけっこうヤバイよね。
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