2024年5月に販売ランキングの首位に躍り出たスズキ スペーシア。常勝のホンダ N-BOXとトップ争いを繰り広げているが、スペーシアのライバルはN-BOXだけではない。スペーシア&N-BOXの強力なライバルとなる5台を見てみよう。
※本稿は2024年7月のものです
文:渡辺陽一郎/写真:日産、三菱、ダイハツ、スズキ、ベストカー編集部
初出:『ベストカー』2024年8月10日号
■日産 ルークス
スペーシアやN-BOXと同じく、全高が1700mmを超えるボディにスライドドアを装着する。2台先を走る車両を検知可能な前方衝突予測警報、ニーエアバッグなど、安全装備に重点を置いているのが特徴。
ただし、後席は乗員と座面の接する部分が短く、座り心地に違和感が伴う。運転支援機能のプロパイロットは、ハイウェイスターの一部グレードのみに標準装着され、標準ボディでは選べない。
●諸元:全長3395×全幅1475×全高1780mm、ホイールベース2495mm、車重970kg、659cc直3(64ps/10.2kgm)+モーター(2.7ps)、WLTCモード燃費19.2km/L[Xターボ・FF]
■三菱 デリカミニ
基本部分は日産のルークスと共通だが、デリカミニは、4WDの足まわりを専用に開発して最低地上高も160mmまで高めている。15インチタイヤのサイズも専用で、悪路を走りやすく乗り心地も柔軟で快適だ。走行安定性とのバランスも緻密に煮詰めた。
ただし4WDはボディが重いため、ターボエンジン車がお薦めとなる。運転支援機能を備えるTプレミアム4WDは、価格が227万1500円に達する。
●諸元:全長3395×全幅1475×全高1800mm、ホイールベース2495mm、車重1000kg、659cc直3(64ps/10.2kgm)+モーター(2.7ps)、WLTCモード燃費19.2km/L[Tプレミアム・FF]
■ダイハツ タント
左側のスライドドアは、中央のピラーをドアに内蔵させ、前後ともに開くと開口幅が1490mmに拡大する。これにより、ベビーカーを抱えて車内に入り、子供を後席のチャイルドシートに座らせ、降車せずに運転席まで移動することができる。
標準ボディのXは、実用装備を充実させ、価格は150万7000円に抑えた。その代わり乗り心地が硬めで、ノーマルエンジンは実用回転域の駆動力が不足気味だ。
●諸元:全長3395×全幅1475×全高1755mm、ホイールベース2460mm、車重920kg、658cc直3(64ps/10.2kgm)、WLTCモード燃費24.3km/L[Xターボ・FF]
■スズキ ワゴンRスマイル
「スライドドアは欲しいが、スペーシアほど高い天井はいらない」と考えるユーザーに適した車種がワゴンRスマイルだ。シートアレンジはスペーシアとほぼ同じで実用性に優れ、全高は1700mmを下まわる。
ただし、似通ったコンセプトの初代ムーヴキャンバスが2016年に人気車になっており、2021年に登場したワゴンRスマイルは後追い的な印象を拭えない。またターボ車が選べないのも残念だ。
●諸元:全長3395×全幅1475×全高1695mm、ホイールベース2460mm、車重870kg、657cc直3(49ps/5.9kgm)+モーター(2.6ps)、WLTCモード燃費25.1km/L[ハイブリッドX・FF]
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