「認知機能検査」というものがある。75歳以上が運転免許更新をする際、受検しなくてはいけない検査で、この内容がけっこう難しい。合格するには脳活が有効とされ、それはつまり「脳を鍛え、脳の老化を遅らせる」こと。「脳の老化なんてまだ先でしょ」と思うかもしれないが、脳神経内科専門医によると、実は「30代から脳の老化は始まっている」。マジか~!! でも大丈夫。快適、安全な運転をするために「脳の老化を遅らせ、脳を鍛える暮らし方」があるから!
文:ベストカーWeb編集部/写真:Adobe Stock、AC
■75歳以上の高齢者が全問正解するのは難しい「認知機能検査」
冒頭で「検査内容はけっこう難しい」と書いたが、上で紹介しているのが「認知機能検査」とほぼ同様の出題。4枚のイラストを約1分間で記憶することが1セットで、続けて同様のことを3セット行う。
つまり、合計16枚のイラストを約4分間で記憶し、「16枚は何のイラストかを解答しなさい」というのが出題。75歳以上の高齢者が全問正解するのは簡単なことではない。何も準備もせずに「認知機能検査」を突破(合格)するのは至難の業といっていい。
その合格のためには「日頃からの脳活しかない」。こう断言してもいい。入手しやすい「脳活ドリル」が載っている本が強力な相棒となるはず。
そして、「脳活」といえば高齢者だけのキーワードと思いがちだが、実は「30代」にもかかわってくるのです!
■驚いてしまう事実。「30代から脳の萎縮(老化)は始まっている!!」
「30代から脳の萎縮、つまり脳の老化は始まります」。こう話すのは、脳神経内科専門医・塚本 浩先生。現在、東京医科大学茨城医療センターで脳神経疾患の専門診療に携わりながら、認知症の早期発見や予防研究も行っている脳の専門医だ。
一般的に30代から脳の老化が進行していき、60~70代になると脳老化の進行が加速するという。
もちろん、60歳以上の高齢者に比べると、それより若い世代の老化の加速は緩やかだが、働き盛り世代と脳の老化が無関係ではない、ということは知っておいてよさそうだ。
脳の老化を食い止めるには「脳活」が重要で、脳活するということは「脳を鍛える」こと。塚本先生は「高齢者こそ、脳を鍛える暮らし方をすれば、脳の老化を食い止められます」と話すが、その塚本先生が総合監修する『脳活ドリル』本のなかに、高齢者向けの「脳を鍛える暮らし方」が掲載されている。
抜粋して、次項で紹介しよう。
■「苦手な人といる時のほうが、脳は鍛えられます」(塚本 浩先生)
■苦手な人とも付き合う
うわべだけの言葉を口にする時、脳はフル稼働します。そのため、苦手な人と過ごしている時のほうが脳は鍛えられます。逆に、気心の知れた人とばかり過ごしていると脳は衰えます。
■新しいことにチャレンジする
同じことを繰り返すだけの生活は脳を老化させます。高齢になればなるほど、新しいことに取り組むことが必要になります。いつもと違う道を歩くだけでも脳は活性化されます。
■しっかり寝て、同じ時間に起きる
睡眠不足、眠りすぎ、ともに脳の機能を低下させます。睡眠時間は7時間程度が適量といわれています。また、毎日規則正しくほぼ同じ時間に起床して、目覚めたらすぐに朝日を浴びることで脳が活性化されます。
■適度に体を動かす
運動不足は脳の老化を進行させる大きな要因となります。できるかぎり体を動かす機会を増やしましょう。
(以上。『脳活ドリル』本からの抜粋)
……「脳活ドリル」を行うことで、自然と脳が鍛えられる。生活に「脳活」を加えれば、75歳になった時のクルマの運転免許更新も、不安なく臨めるはず!
別冊ベストカー
『運転免許認知機能検査 完全攻略本』
総合監修:塚本 浩(脳神経内科専門医)
定価:1320円
講談社ビーシー/講談社
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