2024年の夏も暑い。3カ月予報では8月から10月も平年より高めの気温が続くという。外がこれだけ暑いのだから、炎天下にとめたクルマの中は大変なことになっているだろう。どのように大変なことになっているか、ベストカー編集部が調査した!!
※本稿は2024年8月のものです
文:ベストカー編集部/画像:ベストカー編集部
初出:『ベストカー』2024年9月10日号
■「ちょっとなら大丈夫」が最悪の事態に
梅雨明けから、35℃以上の猛暑が続く日本。気象庁の予想では、2024年の8月から10月は、全国的に例年よりも気温が高いとされている。
そんな猛暑の中でも、子どもが夏休みなので家族で外出したり、仕事に出るという人も多いだろう。しかし、そんな時に注意をしなければならないのが、熱中症だ。
熱中症は屋外だけで発生するものではない。自宅でも起こりうるし、自動車という密閉された空間では特に注意が必要だ。買い物や遊興に行くために、子どもを車内に放置して、熱中症で死亡するという痛ましい事故も毎年発生している。
今回は、実際にクルマはどれほど暑くなるのか? という実証実験をベストカー編集部で行ったのでご覧いただこう。これを見れば、「ちょっとだし……」という気は起きなくなるだろう。
【画像ギャラリー】マジで死んじまうよ…!! 真夏の炎天下での車内灼熱テスト!! インパネ上の卵の運命は!?(15枚)画像ギャラリー■2時間で車内温度はどうなる?
今回テストを行ったのは、埼玉県熊谷市。過去の最高気温ランキングでトップとなる、41.1℃(2018年7月)を記録している「日本一暑い街」だ。
テスト開始は、気温が最も高くなりやすい14時に合わせて、13時からとした。その時点の気温は手元の温度計で38.8℃。暑い!
試験車となるレヴォーグは、エアコンをLOにしてガンガンに冷やした状態からスタート。まずは1時間放置してみたが、各部の温度は急上昇しており、なかでもインパネ(運転席側)は78.2℃を記録した。
シートの座面も、ルーフのおかげで影になっている後席でも46.7℃と高く、座っていたら熱中症間違いなしの状況となっていた。
14時を過ぎたくらいから天候は薄曇りとなったため、ボディの温度は低下したが、それでも気温は38.0℃で、密閉性が高く熱くなった空気を閉じ込めている車内各部の温度は、インパネを除き大きく下がることはなかった。
【画像ギャラリー】マジで死んじまうよ…!! 真夏の炎天下での車内灼熱テスト!! インパネ上の卵の運命は!?(15枚)画像ギャラリー■暑い車内に放置するとどうなる?
さて、車内がいかに暑くなるかはご覧いただいたが、もしその車内に人がいたとしたらどうなるだろうか? 今回のテストでは、車内のインパネ、前席中央、後席中央に生卵を置いて、その温度変化もチェックした。
ちなみ、人体のたんぱく質は42℃を超えると変性し致命的なダメージにつながるが、卵のたんぱく質は62℃を超えると凝固が始まるとされている。そのため、テストでは目で見て変化がないように見えても、人体に置き換えてみた場合には致命的な温度になっていると言えるのだ。
さて、そんな卵の温度だが、開始直後は最も高いもので20.5℃だったが、1時間経過時には最も日が当たるインパネに置いてある卵の温度が58.9℃まで上昇。薄曇りとなった2時間後でも54.7℃と高い温度となっていた。
そんなインパネの卵を割ってみると、見事な温泉卵状態に。これが人間とすれば、悲惨な状態だ……。
最終的な卵の温度は、前席中央が45.6℃、後席中央が40.8℃で、卵は変性しなかったが、人間なら2時間も平熱よりも高い状態で放置されることになる。体温調節機能が発達しきっていない子どもでなくても、命の危険がある空間と言える。
また、最近のクルマのガラスはUVカットガラスになっているが、それでも紫外線の影響を受けやすいバナナをインパネに置いておくと、わずか1時間で日が当たる上面は真っ黒に……。車内温度だけでなく、紫外線も注意が必要だ。
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