長期間給油しないのも問題
では、なるべく給油しない方が良いのか、といえばそれも程度問題となる。
昔はエンジンに燃料を供給する装置がキャブレターだったため、長期間使用しないとキャブ内のガソリンが劣化して、燃えにくくなったりすることで不具合が出たこともあった。
インジェクションとなった今では、燃料を貯めておくフロート室(内部で空気に触れる)などがないため、構造的にはガソリンが劣化しにくい。
ところが、以前書いたように※現在のガソリンはETBE(エチルtertブチルエーテル)という、バイオガソリンが添加されている。
※以前書いた記事【都市伝説!?事実!?】レギュラーガソリン指定車にハイオクを入れると燃費向上やパワーアップするって本当?
ガソリンのオクタン価を向上させる役目もあり、カーボンニュートラルの観点からも添加が推進されているのだが、この添加剤がガソリンの劣化(酸化)を早めている疑いがあるからだ。
これは学者の研究による論文でも明らかになっているし、エンジンの制御ECUを開発するエンジニアからの意見としても聞いたことがある。
結論/燃料タンクに半分以上、月に1度継ぎ足すのがベスト!
劣化したガソリンは始動性が悪化して吹け上がりが鈍くなったり、パワーや燃費が低下、排気ガスが臭くなるなどの問題を引き起こす。燃料フィルターを詰まらせて寿命を短くすることもある。
また、今やほぼすべてのクルマは燃料ポンプが燃料タンク内に内蔵されている。この場合、燃料ポンプは周囲の燃料によって冷却されながら稼動している。
そのためギリギリの状態で走行すると燃料ポンプが熱を持ってしまい、ポンプの寿命が短くなってしまう恐れがある。
それと燃料タンクの残量が少ない状況で保管を続けていると、ガソリンの劣化が早まってしまう。
災害などで燃料の供給が不安定になることも、最近は珍しくなくなってきたこともあり、ある程度燃料タンクに備蓄しておくという考えも必要だ。
以上のことから、クルマの燃料は半分以上の残量を維持しつつ、月に1度(特に夏場は)は燃料を継ぎ足して劣化を防ぐことをお薦めしたい。
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