スタッドレスタイヤ、サマータイヤはもう多くのドライバーにとっては常識になっているはず。しかし第三の選択肢ともいうべく「オールシーズンタイヤ」が定着してきた。
しかし謎が多いのもこのオールシーズンタイヤ。オールシーズンってことは夏も、大雪の冬も関係なく走ることができるということなのだろうか?
そうなるとスタッドレスタイヤの存在価値ってどうなっちゃうの?? なんて心配したり。そこで今回はタイヤに詳しいジャーナリスト斎藤聡氏にオールシーズンタイヤの謎を聞いてみました。
文:斎藤聡/写真:編集部
■スタッドレスや欧州で一般的なウインタータイヤとの違いは?
ウインタータイヤとスタッドレスタイヤは大別すると冬用タイヤというカテゴリーに入ります。これに対して一般的に使われている夏タイヤがあります。
オールシーズンタイヤはその中間くらいの性能のタイヤです。どんな性能かというと”ゴムが効率よく仕事のできる温度域”の違いです。
ゴムはイメージどおり温度が高くなると柔らかくなり、低くなると硬くなります。ウインタータイヤは雪の降るマイナス10℃から5℃くらい。
これに対してオールシーズンは0℃から10℃くらいのイメージです。もちろんメーカーによっても差があります。この温度はあくまでもイメージです。
■チェーン規制の時もオールシーズンタイヤは走れるのか?
チェーン規制はほとんどのオールシーズンタイヤが走れます。これについてはSNOW、M+S、スノーフレークマーク(山に雪の結晶の図案)のいずれかがタイヤ側面についていれば従来のチェーン規制は通行可能です。
ただし昨年暮れから冬用タイヤを履いていてもチェーンの装着が必要な個所ができたので注意してください。
また気になるドライ性能ですが夏タイヤ(スタンダードな銘柄)と比較すると比べると8割5分から9割でしょう。感覚的にはあまり変わらないと思います。
各メーカーやブランドごとに個性や性能差があるようにオールシーズンタイヤにも性能差があり、夏寄り/冬寄りなど多少差があるようです。
※※※
というわけで、オールシーズンタイヤは冬用タイヤより少し上の幅広い温度でゴムが働くのが特徴ということになりそう。
ただ、気をつけたいのは冬での使用。あくまで非降雪地域の突然の雪に対応できる程度と考えたい。
ましてや凍結路などではスタッドレスタイヤのような性能を求めると大きな事故になる。タイヤ選びはしっかり専門店で知識を得ながら進めよう。
コメント
コメントの使い方