■燃費と乗り心地
さすがにハイブリッド車でもサーキットでは10km/Lに届かなかった。が、一般道では非凡な実力を見せた。
山岳路や渋滞した街中でも15km/Lは難なく超えた。高速道路では軽々と20km/Lを超えるなど、先代の記録をことごとく塗り替えている。公道での実際の燃費は、2モーター式のトヨタ製ハイブリッド車に勝るとも劣らない。
サーキットからの帰り道、阿蘇の周辺で撮影を行なった。そこから下って熊本市内に行ったが、伴走車のアクアにカウンターパンチを浴びせる快走を見せている。
下り坂が多かったが、夕方の渋滞にも巻き込まれた。約60kmのステージだったが、アクアはインフォメーションディスプレイで27.4km/Lを表示している。
これに対しフィットハイブリッドは、コンマ5上回る27.9km/Lを記録した。先代のフィットと比べると群を抜いて燃費がよくなっていることを実感。
翌日は燃費計測をしながら撮影を行なった。まずは熊本市内から天草に向かって一般道を1時間ほど走って燃費を計測する。信号も少ない好条件だったが、ここでは32.5km/Lをマークしている。
そこから先のフェリー埠頭までも同じような道路状況だ。約50kmの距離を走ったが、平均速度は39km/hになった。アップダウンが多かったこともあり、このステージでは30.4km/Lにとどまっている。もちろん、文句のつけようのない好燃費だ。
長崎県に渡り、諫早市を目指す。このステージも50kmほどの距離だったが、信号が多く、平均速度は34km/hとなっている。初めて30km/Lを割り、28.8km/Lに。丁寧に乗ったら驚異的な数値を連発した。
最後が高速道路を主体にしたエコランである。80kmほど高速道路を走ったが、意外にもアップダウンが多かった。が、滑らかなアクセル操作を心がけ、条件がよければ80km/hくらいまではEV走行を行なう。先代と比べてEV走行の領域が広がり、これが好燃費につながった。
途中で渋滞に巻き込まれ、最後はペースアップしたが、最終的に29.0km/Lを叩き出している。この数値を上回るチームがいた(29.8km/L)が、すべて1km/L前後の範囲に収まった。フィットは燃費のいいクルマであると断言できるだろう。
乗り心地は、路面によってはちょっと硬質と感じることがある。だが、先代と比べると感動するほどよくなっている。また、キャビンは広く、開放的だ。後席の快適性も向上していた。シートはサーキットでもロングドライブでもサポート性がよく、疲れは少なかった。シンプルで直感的に分かる操作系スイッチも美点のひとつだ。マルチインフォメーションディスプレイも見やすい。
【画像ギャラリー】街中で、郊外で、サーキットで、高速道路でとことんチェック!3代目フィット火の国試乗 in 熊本~長崎~福岡(17枚)画像ギャラリー■おすすめグレードは?
走りを楽しむならRSの6速MT車がいい。が、燃費のよさを知ってしまうと、ハイブリッドの魅力に引かれる。
RSに近い走りを期待するなら、エアロパーツやRSに準じたシートとインテリア、16インチタイヤを履くSパッケージがおすすめだ。
が、ファミリーカーとしてトータル性能が高いのは、ハイブリッドではない15Xである。エンジンは好印象だったし、ハンドリングも軽快だった。渋好みの選択である。
【画像ギャラリー】街中で、郊外で、サーキットで、高速道路でとことんチェック!3代目フィット火の国試乗 in 熊本~長崎~福岡(17枚)画像ギャラリー



















コメント
コメントの使い方