■レスポンスと力強さを感じるパワートレーン。先進安全装備も進化
では走り出そう。鷹栖名物のニュルのようなワインディング走行は今回はなし。高速周回路と欧州路をそのまま持ってきた、中低速のワインディングだ。しかも路面が悪い。まず高速周回路に入って感じたのは自立直進性のよさ。しっかりとまっすぐ走る。
そして加速。新型フィットに搭載されるエンジンは2種類。 e:HEV (イーエイチイーブイ)と称される1.5Lハイブリッドと1.3Lガソリンエンジンだ。まずはそのハイブリッドから試乗しているわけで、1.5Lアトキンソンサイクルエンジンに2モーター内蔵の電気式 CVT がドッキングされている。
ハイブリッドの方式はいわゆる最近のホンダの方式で、基本的に中低速域ではエンジンで発電してモーターで駆動、そして高速域になるとエンジンで走るというもの。駆動モーターそのものも高速型になっていて、上限回転数は一般的なモーターの10900回転から13300回転となっている。 トルク効率も54%ほど向上していて、現行のモーターより1.6倍のトルクを発生。これは1.5Lターボエンジン以上のトルクだという。
その加速は、やはりモーターらしい力強い加速。アクセルの踏み込み加減にしっかり反応していて、ハイブリットらしからぬ力強さがある。このあたりは新型ヤリスも電気の出し入れを改善していて、かなり力強さと減速感を向上させているけれども新型フィットのほうがレスポンスがいいし力強い。
アクセルを踏み続けると、それはやめてくださいレベルの180km/hまで加速した。これ本当に高速域もすごい。四輪が路面をしっかり捉えていて安心感。もうひとつ感心したのが最新のホンダセンシングのレーンキープアシスト(LKAS)。路面の白線をカメラで読み込んで車線内の中央を維持する機能だ。
スイッチオンにしてすぐに反応しセンターリングを始めた。まぁ、テストコースということもあり、白線がくっきりしているから読み込むのも早いということが言えるとは思うけれども、かなり応答性がいい。
実は新型フィットでは、ACC (アダプティブ・クルーズ・コントロール)にミリ波レーダーを使っていない。 ACCもこのカメラでフォローするのだ。すでにアウトバーンのテストでも、かなりの高速域までカメラだけでACCでの走行が可能なのだという。
フロントワイドビューカメラによってこれらのことが可能になっているのだが、それ以外にソナーセンサーをフロントに4つ、リアに4つ設けていて安全性はしっかり確保されている。
また前後誤発進抑制機能もしっかり装備されていて、特に前方への発進はコンビニなどのガラスにも対応している。もうひとつ対向車との衝突回避を支援するほか、右直時の対向車にも反応することができるようになっている。ホンダセンシングはかなり進化してきたと実感する。
1.3Lエンジンも、アトキンソンサイクルを採用していてこちらはCVT。基本的にこれまでのエンジンを踏襲しているけれども、こちらも進化を遂げている。やはり軽快さが1.3Lエンジンは命で、これでも十分いいなあと僕は感じました。
新型ヤリスは 3気筒エンジンがベースだけれども、新型フィットは4気筒エンジン。RSには3気筒ターボという話もあるけれども、まあこの辺りはドライバーの好みかな? ただやはり、エンジンの音など爆発系のフィーリングは新型ヤリスと新型フィットでは別れるところ。どちらも減点と感じるのは、ハイブリッドではないコンベンショナルなガソリンモデルでの高回転域の音がうるさいことだ。
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