アルファード VSグランエース徹底試乗比較!! 禁断の同門ガチバトル

■後攻 グランエース Premium(6人乗りモデル)

5m超えの超大型ボディを持つグランエースながら、その走りは2.8トンという重量を感じさせない。1.5BOXならではの独特な走りがおもしろい
5m超えの超大型ボディを持つグランエースながら、その走りは2.8トンという重量を感じさせない。1.5BOXならではの独特な走りがおもしろい

 昨年(2019年)12月デビューのトヨタミニバンで最大のボディを誇るハイエースベースのモデル。3列と4列シート車を設定。価格は620万~650万円。

■渡辺陽一郎のグランエース 試乗インプレッション

 グランエースは「センチュリーのミニバン仕様」という印象だ。

 3列シートのプレミアムは、価格が650万円だから前席も相応に上質だが、アルファードエグゼクティブラウンジほどではない。内装から乗り心地まで、センチュリーのように後席の快適性を優先させた。

ブラックを基調とした低くワイドな印象のインパネ。空調の吹き出し部には金属調加飾、助手席の正面に木目調加飾を施してゴージャスな雰囲気に

 アルファードと最も違うのは、2/3列目に快適性の格差がないことだ。3列目にも2列目と同じエグゼクティブパワーシートが備わり、正確には3列目の頭上空間と乗り心地が少し下回るが、ほとんど違いはない。

 大人6名が乗車して、席替えをせずに長距離を移動しても、車内の雰囲気が険悪になる心配はない。

室内長3290mm、室内幅1735mmという室内空間の圧倒的な広さを誇るグランエース。専用エグゼクティブシートは快適でゆっくりくつろげる

 その代わりアルファードに比べると、前席の満足度は微妙だ。インパネの基本形状は海外版ハイエースと同じで、機能を優先して作り込んだ。

 重いボディを悠々と走らせる感覚は、試乗中はバスの運転手さんになった気分で面白かったが、実際にオーナーになったらどうなのか。エグゼクティブパワーシートに座るのが奥さんと子どもと両親では、かなり人間がデキていないと辛いかもしれない。

 このように考えると、家族で使うならアルファードが無難だろう。グランエースを買うと、見栄を張ったつもりが、逆の展開になる可能性もありそうだ。

3列目も2列目に負けず快適!

■清水草一のグランエース 試乗インプレッション

 グランエース、こいつはスゲエ! もとがハイエースなので、カタチは基本的に素っ気ない箱型で、そこにアルファードもどきのオラオラ顔を張りつけただけ。デザインではアルファードの敵ではないが、この大きさは圧倒的だ。隣にアルファードが並んでも、こっちのほうが格上だと威張っていられる。

3列目シートを前方にスライドさせると広大なラゲッジスペースが出現。3列目の着座スペースを確保しながらでもゴルフケース4個を立てたまま収納可

 それでいて、取り回しは意外なほどラク。ハンドルが深く切れるので、小回り性能はアルファードと同じなのですね。上から見ると真四角なだけに、見切りも抜群。なぜかアルファードより取り回しがよく感じるほどでした。

 室内の快適性も高い。内装は「貨物車ベースにめいっぱい頑張りました!」という風情ではあるけれど、とにかく乗り心地がイイ! その最大の要因は、やっぱりボディ剛性なんだよね。

「これ、トラックシャシー?」と思ったくらいしっかりしてる。「ストレートラダー構造を持つモノコック」なんだそうですが、しっかり感がアルファードとは雲泥の差だ! サスペンションも絶妙。

グランエースは2列目と3列目に専用エグゼクティブパワーシートを採用する。いったん、その快適性を味わったら病みつきになること請け合い!

 もちろんレクサスLSとかそのへんの最高級セダンには到底かなわないし、「最高級トラック」って感じではあるけれど、後席でふんぞり返っていても実に安心感がある。

 運転手としても、こっちのほうが断然イイ! 2.8Lディーゼルのトルクは、動き出した瞬間からモリモリッと来て、2.8トンという重さを感じさせない。ステアリングのダイレクト感もトラックなみに高い。デカいけど、思いどおりに動かせるクルマなのだ。プロドライバー気分に浸れます。

直4、2.8Lクリーンディーゼルエンジンは最高出力177ps、最大トルク46.1kgmを発揮する。WLTCモード燃費は10.0km/Lをマークする

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