ヤリスvsフィット試乗バトル!! 辛口ドライバーがガチ対決!! 軍配はどちらに!?

■総括!! ガチライバルのこの2台を2人の達人はこう評した

 さて、松田さんと中谷さん、おふたりの評価は見事に分かれた。もちろん、それぞれ各車に「いい点」、「イマイチな点」を見極めて指摘しているのだが、最終的な評価としては、松田さんが「フィットが総合評価では上」としたのに対し、中谷さんは「クルマ好きの心に刺さるのはヤリス」と結論づけた。

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BC:先ほど中谷さんは、ヤリスとフィットは直接比較対象とはならないとおっしゃいましたが……。

中谷:ひとくくりで言えば両車ともコンパクトカーだけど、ヤリスはより小さい。フィットのほうが全長も長く、大きいでしょ。ヤリスと直接比較するならマツダ2。

松田:ヤリスは割り切っちゃった感が強いよね。トヨタはヤリスでコンパクトカーユーザーのニーズをすべて網羅する必要がないですから。

中谷:そう。GRモデルを作りたいから全長も短くしたい。後席は狭くなっちゃうけれど、そこは我慢してね、という割り切り。大人数乗って荷物も積みたい人は、シエンタを用意してますよっていうね。

トヨタは「割り切り」ができたため、ヤリスの後席や荷室の使い勝手を犠牲にしてハンドリング性能を追求することができた。一方ホンダはフィットにすべてを盛り込んで、コンパクトカーとしてのトータル性能を追求した

松田:フィットは、ホンダが社運をかけてしっかり売らなければ! という思いで、すべてを詰め込んだ感じ。

中谷:テールゲートを開けると開口部の大きさが対照的。

松田:フィットはバンパーラインも低く、全体的に開口を広くしている。

中谷:ヤリスは狭い。バンパーの上端も高く、荷室フロアが高い。

松田:使い勝手は圧倒的にフィットがいいね。

繰り返しになるが、フィットは一般的なユーザーにとっての「いいクルマ」だということ。ただ、それだとクルマ好きには物足りないのだ

中谷:でも、そのぶんヤリスはボディがしっかりしている。あと、従来のフィットは後席がリクライニングしたけれど、新型はしない。これは退化。

松田:パッと乗ると、ヤリスのキビキビした走りは楽しいんだけど、テストコースで試した超高速域の操縦性はフィットがよかった。気持ちよさのヤリスに対して、心地よさのフィット。

中谷:フィットは、よくはできていますが運転していて面白くない。ヤリスは運転していて楽しい。クルマ好きにはヤリスが楽しいでしょう。

松田:ハイブリッド同士で比べると、ヤリスのほうが動力性能面でのインパクトがある。

中谷:フィットはガソリン車から乗り換えても違和感のないトルク特性にしている。

松田:やはり「心地いい」を狙っています。ヤリスは動力性能でも「気持ちよさ」。

ヤリスは楽しいクルマに仕上がっていると思う。でも、限界領域でのシャシー性能などは、フィットの仕上がりは非常に高いと感じている

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 いかがだろうか。この両車、狙いが対極的で、どちらの「方向性」を評価するか? というのが結論だ。

この勝負、まさに決着つかずの好勝負!

画像ギャラリー】何がどう違う!? 注目のヤリス&フィットをすみずみまでチェック!!

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