ターボ車初のSGPで超絶進化! 2代目レヴォーグは「走り」がスゴイ!

 2020年10月15日に正式発表、11月に発売開始となる予定のスバル「新型レヴォーグ」の全貌が明らかとなった! 先行予約は、すでに8月20日より、全国のスバルディーラーで開始されている。

 そんな注目の新型レヴォーグだが、ひと足早くプロトタイプカーではあるものの、クローズドコース(JARIテストコース)において、試乗することができた。今回は、アイサイトXだけではない新型レヴォーグの進化の全貌をお届けしたい。

※本稿は2020年8月のものです
文/鈴木直也
写真/西尾タクト、平野学
初出:『ベストカー』 2020年9月10日号

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■やはり注目すべき大幅進化したアイサイトX

 今度の新型レヴォーグにはぶったまげました。何がって、とにかくクルマの隅々までオタクとしか言いようがないレベルで徹底的に作り込まれていること。

 デザインは初代モデルの正常進化というイメージだが、中身は事前の予想をはるかに超える出来栄え。プロトタイプの事前試乗会でそれを体験して、ボクは「4代目BP型レガシィの再来だー!」と心中密かに叫んだのだった。

スバルグローバルプラットフォーム(SGP)を採用するのはインプレッサ、XV、フォレスターに続いて第4モデルとなり、ついにターボエンジン車に搭載されることになった。SGPの”真打ち”ともいえる新型レヴォーグ

 まずは、アイサイトのバージョンアップ版、「アイサイトX」だ。

 画像センサーの性能向上や前側方監視レーダーの追加など、ハードウェア部分の強化もさることながら、やはりすごいのはソフトウェアの進歩だ。横から飛び出してくる自転車、右折時の対向車や見通しの悪い丁字路での交差車両など、プリクラッシュブレーキの作動領域がグッと広がっている。

 また、最近トレンドとなっている高速道路の渋滞時、約50km/h以下ならハンズフリーで追従するモードも装備。まずは、スペック表でライバルに負けない機能を盛り込んでいる。

アイサイトXの効果を体験する鈴木直也氏。渋滞時ハンズオフアシスト、アクティブレーンチェンジアシスト、カーブ前速度制御&料金所速度制御、ドライバー異常時対応システムをスバル車で初めて採用した
アイサイトXには広角化した新型ステレオカメラを装着。こちらはアイサイトX作動時のメーター内液晶ディスプレイの様子。これ以外に2眼メーター表示や地図表示が可能だ

 実際の走りでもアイサイトXのありがたみは大いに体感できた。レーンキープ性能の精度向上は目を見張るものがあり、高速道路によくある緩いカーブなどは得意中の得意。120km/hで進入するとやや速度を下げつつ、スムーズに旋回に入り、ビシッとレーン中央をキープするみごとなトレース性能を披露。ウインカースイッチによるレーンチェンジや、高速料金所への進入速度も自動制御される。

 ドライバー監視システムもさらに進化し、今回から運転者が意識を失うケースのような緊急事態にも対応する。ハザードランプやクラクションで周囲に注意を促しつつ、車線上での自動停止まで実体験できた。

スバルのフラッグシップモデルともいえる存在に成長したレヴォーグ。従来型は1.6Lターボ車が2014年から現在までに約11万台を販売したが、新型はそれを超えることができるか!?

■鍛え上げたボディ剛性を生かし切った 打倒欧州車も可能な走り

 次から次へと披露されるデモに、ベストカー本誌の編集担当と一緒に「こりゃすごい!」「よくできてるなー!」と驚きの連続だったのだが、しかし、それは序章に過ぎなかったのよ!

 とりあえずテスト車に乗せられ、アイサイトXの進化にキャッキャッと喜んでいた最初の興奮状態。それが醒めて気づいたのは「パワートレーンもシャシーも恐ろしく出来がいいんじゃね?」という事実。派手なADASだけじゃなく、それを支える車体やパワートレーンが素晴らしいのだ。

 完全新設計の1.8Lターボは、ごく低速域から力強いトルク感を発揮し、常用域でのドライバビリティが圧倒的にいい。また、クルマ好きにはあまり評判のよくないCVT(リニアトロニック)も、従来型のようなラバーバンドフィールは激減。ステップATに近いダイレクト感があった。

写真は最上級グレード「STI Sport」。アイサイトX(+35万円)をつけて税抜き370万円台となる。このほか、中間グレードの「GT-H」、最廉価グレードの「GT」を設定
STI Sportのインパネデザイン。インテリアにボルドーの差し色が入るのは従来型と同様だ
STI Sportには従来型と同じくボルドーカラーの本革シートが装着される。ヘッドレストにはSTIロゴが入り、座面のクッション性も向上

 さらに、乗れば乗るほど味わい深いのがシャシー性能の上質さだ。最初に「イイなぁ!」と思ったのは乗り心地のスムーズさと静粛性の高さだが、走り込むにつれて「これはただごとじゃないレベルかも?」と、思わず居住まいを正したほど。ドラポジをきちっと合わせ直し、クルマから伝わってくる情報をきちんと受け止めなくちゃイカンと、全神経を集中しちゃいましたよ、マジで。

 で、ボクが感じたことは、ステレオタイプな表現で申し訳ないが「やっぱ、ピシッと引き締まったボディ骨格に、きちんと動くサスペンションというコンビネーションだねぇ……」というもの。ボディ/シャシー系の開発者は、おおむねみんなその方向を目指すのだが、新型レヴォーグほどみごとな模範解答を提出してきたクルマは滅多にない。

 エンジニアに話を聞くと、「ベースはSGP(スバルグローバルプラットフォーム)ですが、インナーフレーム構造(骨格を組み立ててから外板パネルを溶接する工法)の採用や構造用接着剤の使用範囲拡大(インプレッサ比で4倍)が効果を発揮しています」とのこと。SGPは登場時点では個人的にあんまりピンとこなかったのだが、この新型のボディ剛性の素晴らしさには脱帽だ。

SGPに加え、スバル初採用のフルインナーフレーム構造。ボディ剛性は従来型から向上し、ねじり剛性は約44%も向上しているという
新開発の水平対向4気筒、直噴1.8LDOHCターボは177ps/30.6kgmを発揮。従来型の1.6Lターボから7ps/5.1kgm向上
STI Sportに搭載される「ドライブモードセレクト」。電子制御ダンパー採用により、「COMFORT」「NORMAL」「SPORT」「SPORT+」「INDIVIDUAL(お好み設定)」の5モードを選択可能だ

 また、電動パワステ(EPS)をステアリング入力とモーターアシストを分離した2ピニオン型にグレードアップしたり、ブレーキローターのハット部を削ってキングピンオフセットを減少させたり、ステアリングフィールに対するこだわりもスバルらしいオタクっぷりが炸裂。このあたりに投入したコストは、まさに欧州プレミアム並み。正確で雑味のないステアフィールは、ちょっと惚れ惚れするくらいイイ。

 この辺を欧州プレミアムと比較するなら、エントリーレンジのFFベースではなく、ベンツなら「C」、BMWなら「3」あたりのDセグに匹敵する上質感。国産Cセグでここまで達成してくるとは、正直まったく予想してませんでした。

 新型レヴォーグの走り(とりわけシャシー性能)のよさは、お金も手間も惜しみなくかけたエンジニアのこだわりの成果。スバル技術者のオタクっぷりを、存分に見せつけてくれた新型レヴォーグプロトの事前試乗会でした。

新型レヴォーグSTI Sportの主要諸元

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