2017年9月に発売した新型シビックが売れている。
11月にホンダの倉石誠司副社長が決算会見の席で生産計画(月販2000台)の6倍、約1万2000台の受注が入っていることを明かし、12月に入っても各ディーラーに順調に注文が入っているという。
タイプRも含めた「シビック」シリーズ全体の販売比率は、タイプR=25%、セダン=25%、ハッチバック=50%で、人気は圧倒的にハッチバックに集中している。しかもハッチバックのなかのMT比率は驚きの35%。いかにホンダにスポーツ性を求めているユーザーが多いかがわかる。
以上のような状況からハッチバックの納期は延び、英国生産ということもあって、現時点で申し込んでも納車は2018年春になるとのこと。
この人気の秘密を解き明かすべく、清水草一氏に改めてシビックのハッチバック、それもMT車に試乗していただいた。
文:清水草一 写真:平野陽
ベストカー2017年12月26日号「2017年の新車採点簿」より
■デカすぎて誰もシビックだと思っていない!?
新型シビックの「前評判」は最悪だった。なにせデカすぎて「こんなシビック、日本で売れるわけない」と。
ところが実物を見ると、あまりにもデカすぎて徹頭徹尾シビックじゃないので、まったく新しいクルマという意識で接することができる。輸入車感も高いぞ(ハッチバックはイギリス製)。
エンジンは全車1.5Lターボだが、チューニングはボディ形状、ミッションによって微妙に異なる。
セダン(CVTのみ)は、しっかりしたボディにしっかりしたサス、実用性能の高いエンジンの組み合わせながら、大人しくて存在感は薄め。寄居工場製なのでお値段約265万円と、サイズのわりに割安感があるのがメリットだ。
いっぽうのハッチバックは、今回6MTに試乗したのですが、かなりココロに刺さりました。
タイプRはもはやFFのスーパーカーだが、ハッチバックのMTモデルにも、タイプRの香りが濃厚なのだ。
パワーは、セダンの173ps対して182psとわずかな向上ながら、フィーリングは別物。
センター2本出しのマフラーは、控え目ながら乾いた快音を奏でる。もちろん、タイプRの320psには比べるべくもないが、箱根のワインディングでも力不足はまったく感じない。むしろパワーを使い切れるぶん、気持ちいい面すらある。
乗り心地のよさはタイプR譲りだが、操縦性も同じ方向性。切っても切ってもクイッと曲がってくれる。
ミッションの節度感はさすがにタイプRに一歩譲るが、280万円でタイプRジュニアが買えると思えば、お買い得感は高いじゃないか!(タイプRは約450万円)デザインも、タイプRという“神”のイメージが憑依して迫力充分。実に男らしい。
ハッチバックのMTは、今注文しても納車は来春になるという。みなさんわかってるなぁ~!
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