■ジウジアーロ作の魅力的なスタイリング
マゼラーティは多くのカロッツェリアのボディを使ってきた。トウリング、ヴィンアーレ、そしてスイスのフルアが多い時もあった。
しかし、1960年代後半からひとりの天才にその荒々しい性能をまかせることにした。それが、ジウジアーロだ。この当時、ジウジアーロはカロッツェリア・ギアのチーフスタイリストであった。ちなみにいすゞ117クーペもギア時代だ。
だから、このギーブリにはカロッツェリア・ギアのエンブレムがある。ギーブリのスタイリングは多くのクルマに影響を与えたことがわかる。アストンマーチンDB5の後部のスタイルや、このクルマ以降の多くのクルマのフロントエンドもそうだ。
インテリアもシボリの付いた上等な革で覆われていて、エアコンディショナーも装着される。トランスミッションは5速MTのほかにBMW製の3ATも選べた。そしてギーブリSSからは、パワーアシスト付きスティアリングとなった。
しかし、くみしやすいモデルと思うと、大違い。この時代のイタリアンスーパーカーに乗るにはそれなりの心の準備が必要だ。
今、日本ではフェラーリが大人気だ。もちろん古いフェラーリはいい。美しい。しかし、あまりに高価だ。それに比べると、このマゼラーティギーブリは、リーズナブルなプライスが付けられているという。そう聞くとまたぞろ悪い虫が、どこかでうずき始めるのである。
◎マセラティ・ギブリSS 主要諸元
全長:4590mm
全幅:1800mm
全高:1160mm
ホイールベース:2550mm
エンジン:V8DOHC
排気量:4930cc
最高出力:335ps/5500rpm
最大トルク:49.0kgm/4000rpm
車重:1530kg
トランスミッション:5MT
カタログ最高速:275km/h
総販売台数:1274台
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