トヨタ セラ試乗 恍惚のガルウイング【徳大寺有恒のリバイバル試乗記】

■そのスタイルを通して感じた、新しい可能性

 セラを走らせてみたところでそれはたいしたものじゃない。1.5Lの4シリンダーエンジンは110馬力しかないし、オートマチックトランスミッションでごく普通に走ればいいと思う。けっして走らせて面白い、というたぐいのものじゃない。

エンジンは1.5ℓハイメカツインカムのハイパワー版となる5E-FHEで最高出力は110ps、最大トルクは13.5㎏mだった。トランスミッションは5MTと4ATだ
エンジンは1.5Lハイメカツインカムのハイパワー版となる5E-FHEで最高出力は110ps、最大トルクは13.5kgmだった。トランスミッションは5MTと4ATだ

 スタイルがすべてというクルマだ。これくらいスタイルが面白ければ、走りは普通でいいじゃないか、という人がいても不思議じゃない。このクルマのユーザーの多くは若い女性だろうと思うし、そうあって欲しいとも願う。

加速はいたって普通だが、930㎏に抑えた車重と2300㎜の短いホイールベースで、想像以上に運動性能は高かった
加速はいたって普通だが、930kgに抑えた車重と2300mmの短いホイールベースで、想像以上に運動性能は高かった

 その点では160万円(5MT)というプライスは驚く以外ない。この価格なら、ちょっとしたOLにも買えるほどだ。そのOLたちのためにも、もっとクリアなソリッドのイエローやエメラルドのグリーン、ブルーなどが欲しい。

 セラを見て、クルマのデザインは、まだまだ可能性があるなと思い直した。今では生産技術が新しいデザインを可能にする時代となったのだ。そして、クルマのマーケットもいよいよ女性の時代が盛んになってきたことも実感する。

 ユーノス・ロードスターのソフトトップを下ろして走る若い女性を時おり見る。当方としてはなんとなく楽しくなる。セラはきっとそんな街の風物詩を演じられるだろう。

取材時の徳さん。当時の価格160万円でガルウィングが手に入ることに驚いていた
取材時の徳さん。当時の価格160万円でガルウィングが手に入ることに驚いていた

◎セラ(AT) 主要諸元
全長:3860mm
全幅:1650mm
全高:1265mm
ホイールベース:2300mm
エンジン:直4DOHC
排気量:1496cc
最高出力:110ps/6400rpm
最大トルク:13.5kgm/5200rpm
トランスミッション:4AT
10モード燃費:12.0km/L
車重:930kg
価格:167万5000円 

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