マツダ サバンナ RX-7試乗!  1978年世界を撃ち抜いた和製スーパーカー【徳大寺有恒のリバイバル試乗記】

■目を見張る高速性能とハンドリング

 RX-7の高速性能については三次のテストコースでたっぷりとテストすることができた。5MTはもちろん3ATにも乗った。どちらもスピードメーター上で楽々180km/hを記録した。180km/hになるとキャブレターのコントロールでスピードの上昇が止められる。

 この180km/hを5MTはフォースで6500rpm、トップで5200rpmでマークでき、まだトルクを残していたので190km/hくらいまで伸びる実力はありそうだ。

 日本では180km/hというスピードは非現実的なものではあるが、そこでわざわざ止めなければならないルールも不可解なものだ。トップスピードというのはそのクルマの安全マージンの目安として必要なのに。

エンジンはサバンナがすでに採用した12Aロータリーで昭和53年排ガス規制対策を施したものだ。最高出力130psでGTのパワーウェイトレシオは7.7㎏/ps
エンジンはサバンナがすでに採用した12Aロータリーで昭和53年排ガス規制対策を施したものだ。最高出力130psでGTのパワーウェイトレシオは7.7kg/ps

 残念なのはシフトフィーリングに難があり、ワインディングロードで少々シフト操作が遅れがちになることだ。シフトフィーリングは明らかにポルシェのほうがいい。そしてRX-7は2L、100hpのポルシェよりも明らかに速いが、80km/h以上でのパンチはむしろポルシェのほうがいい。

 ハンドリングについてはRX-7は国産車には珍しくロールの少ないしっかりとしたもので、その強力なパワーにより、オーバースティアも意のままである。

 フロントミッドのせいか、アンダースティアは適度で中速コーナーをサードのフルスロットルで回り込んでも、スティアリングの保舵力は高まらず、きれいにラインをトレースする。

 スティアリングはキックバックも少なくフィーリングはいいが、パーキングスピードでは少々重い。

 ポルシェはこの分野にこそ、最も精通しているクルマであり、やはり一枚上手である。とにかくビシッとしてスティアリングの剛性が高い。

 ポルシェのコーナリングは絶妙で、トランスアクスルをあえて用いている理由ははっきりする。コーナリングパワーは極めて高く、クルマのバランスがいいので、ドライバーは意のままに操ることができる。

 結論をいうなら、正直ポルシェのほうがすべてで一枚上手だ。しかし、両車の価格差(ポルシェ924・4MT仕様:438万円、サバンナRX-7・5MT仕様:144万円 ※いずれも当時)ほど差があるかといえばNOだ。

 RX-7がローコストのわりに上等な仕上げと充分なパフォーマンス、スポーツカーらしい味付けのドライブフィールを持っていることを褒めたい。

 今後はより本格派へと発展することを望みたい。ちなみにテスト時の燃費はRX-7は6.4km/L、ポルシェ924が8.4km/Lであった。

RX-7は1982年にWRCにチャレンジ。翌年ベルギーにMRTE(マツダ・ラリー・チーム・ヨーロッパ)を設立し、参戦体制を強化したが、’85年アクロポリスの3位が最高位だった
RX-7は1982年にWRCにチャレンジ。翌年ベルギーにMRTE(マツダ・ラリー・チーム・ヨーロッパ)を設立し、参戦体制を強化したが、’85年アクロポリスの3位が最高位だった

◎サバンナRX-7 GT(SA22C)主要諸元
全長:4285mm
全幅:1675mm
全高:1260mm
ホイールベース:2420mm
エンジン:12A型ロータリー
排気量:573cc×2
最高出力:130ps/7000rpm
最大トルク:16.5kgm/4000rpm
トランスミッション:5MT
10モード燃費:10.2km/L
車重:1005kg
価格:144万円
※グロス表記

0~400m加速:16.86秒
0~60km/h加速:5.26秒
0~100km/h加速:10.12秒
※いずれもベストカーガイドのテストデータ

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