ベンツ新型Gクラス 世界最強のオフローダーの仰天実力!!

ベンツ新型Gクラス 世界最強のオフローダーの仰天実力!!

さる6月6日に正式発表となったベンツGクラス。納車は8月からということだが、ひと足早く試乗レポートが届いたのでご紹介しよう。

ホームページを見てみるとおもしろい。「時代の最先端を走り続けるために生まれ変わった伝統のデザイン」とあるからだ(「デザイン」の項より抜粋)。言葉遊びに聞こえるかもしれないが、変わらないはずの「伝統」を「生まれ変わらせた」のだ。

実際、外観も従来型とあまり変わらないように見える今回のGクラス。だが従来型との共用部品は実は少なく、オフロード・オンロードの走破性をさらに強化、安全技術も惜しみなく投入…と、あらゆる面でのレベルアップが図られている。

メルセデスらしさを決して変えることなく、クルマとしてのすべてを生まれ変わらせた。先述の言葉には、そんなメルセデスの確固たる意思と、そして自信とが込められているのかも知れない。

価格についてはG550が1562万円(税込)、AMG G63が2035万円(税込)となる。

文:渡辺 敏史
写真:ベストカーWeb編集部
初出:『ベストカー』2018年6月26日号


■40年ぶりの新型登場! 見た目は変わらないが、中身はどうだ?

基本骨格は引き続き堅牢なラダーフレームを採用。リアサスペンションはリジッドのままだがフロントがリジッドからダブルウィッシュボーンに変更。最低地上高は241mm~270mm
基本骨格は引き続き堅牢なラダーフレームを採用。リアサスペンションはリジッドのままだがフロントがリジッドからダブルウィッシュボーンに変更。最低地上高は241mm~270mm

NATO軍向けの高機動車となるW460型を民生向けにアレンジしたW463型=Gクラスとして発売開始したのは1979年のこと。それ以来ということは、約40年ぶりのフルモデルチェンジとなる。

しかし新型Gクラスも強靭なスチールラダーフレームを土台とするヘビーデューティな成り立ちに変わりはない。リアサスも新設計ながら先代からのリジッドアクスル形式を継承した。最大の変化となるのはフロントサスがリジッドアクスルからWウィッシュボーンの独立懸架となったことで、これによりオンロードでの乗り心地やハンドリングを大きく改善しようという意図が窺える。もちろん前軸側の剛性確保には充分配慮がなされており、ストラット部左右とバルクヘッドは強靭な大径パイプで固められていた。

LEDに変更。ウオッシャーノズルは先代と共通部品
LEDに変更。ウオッシャーノズルは先代と共通部品
ドアハンドルも先代と共通部品。開閉音も変わらず
ドアハンドルも先代と共通部品。開閉音も変わらず

現状の発表グレードはメルセデスG550とメルセデスAMG G63(AMG G63は下記にて紹介)。搭載するエンジンはともに4L V8ツインターボで前者は422ps、後者は585psを発揮する。組み合わせられるミッションは9速AT、そして一新されたフルタイム4WDのドライブトレーンは前後駆動配分40:60とややオンロードの旋回性を意識した駆動配分の設定となる。悪路ではこの駆動配分に副変速機を加えさらに前・中・後と3つのデフロックを任意でコントロールすることでタフなセクションもクリアしようという、あえてアナログ的な設えを守ってもいる。

ボディ部のアルミ化など材料置換で達成した170kgの軽量化、そして高められた地上高などもあってGクラスの悪路走破性は相変わらず数多のSUVとは一線を画している。生命線であるヘビーデューティ性を保持した上で、大幅に改善されたのがオンロードでの操縦安定性や乗り心地だ。タイトなワインディングを苦もなくスイスイと走り切る運動性能の高さはG550、G63の双方で劇的に進化している。タフネスというコアはそのままに、固有の運転感覚を飲み込むなど、運転にまつわる我慢はもはや必要なくなった。この進化に賛否はあるだろうが、乗れば大半の人は納得させられるに違いない。

ダイナミックセレクトと呼ぶドライブモード切り替え機能が新設されオンロード用にはコンフォート/スポーツ/インディビジュアル/エコの4モード、さらにオフロード用としてGモードを設定
ダイナミックセレクトと呼ぶドライブモード切り替え機能が新設されオンロード用にはコンフォート/スポーツ/インディビジュアル/エコの4モード、さらにオフロード用としてGモードを設定
インパネは新設計され、EクラスやSクラスに採用された2つの12.3インチディスプレイを装備、伝統の意匠を生かしながらモダンに
インパネは新設計され、EクラスやSクラスに採用された2つの12.3インチディスプレイを装備、伝統の意匠を生かしながらモダンなものに

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