新型BRZの魅力とは? 日本を代表するラリードライバーが解説!!!

■旧型にあった「トルクの谷」が消滅 遙かにパワフルに

 実際に乗ってみると、旧型で4500rpm付近にあったトルクの谷(落ち込み)がなくなっていて、どこから踏んでも加速するパワフルさを手に入れていました!

値以上にパワフルになった2.4Lエンジン。これを体感してしまったらもう戻れない!? 
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 旧型ではパワーがもう少しあればもっと楽しいのに……というシーンがありましたが、新型ではこのままでも充分楽しめるなと感じさせる余裕があります。

 レッドゾーンは7500rpmからですが、高回転までしっかり回るし、トルクもあるので、乗りやすいし楽しいです。

 新型ではサウンドクリエーターも変わって、旧型で採用していたエンジンルーム内の音を取り入れる仕様ではなく、デジタルで作った音を流す「アクティブサウンドコントロール」になりました。

 旧型よりもかなりいい音になっていて、エンターテイメント感がいっそう強くなっているので、ドライバーをやる気にさせてくれます。

 新型BRZで群サイを走行したのは初めてですが、特筆すべきはクルマが跳ねてしまうような路面が多いにもかかわらず、本当にタイヤが路面を離さないことです。これには驚きました!

目を三角にして高速で走らずとも、その楽しさを味わえるちょうどよさも、このクルマの魅力とも言える
目を三角にして高速で走らずとも、その楽しさを味わえるちょうどよさも、このクルマの魅力とも言える

 旧型と比較すると、シャシーのレベルが、1段階どころではなく、何段階も上がっている印象です。

 ボディ剛性が上がっているおかげで、サスペンションがきちんと仕事をしてくれていることが大きいんだと思います。

■ハンドリング性能も大幅に向上 その背景にあるもの

 ハンドリング性能も旧型よりも大幅に向上していることを感じられます。

 これにはいくつか要因があるのですが、ひとつ目は低重心かつ、ボディ中心から離れた場所にある重量物を徹底的に軽量化していることです。

 ハンドルを握って少し走っただけでも軽快さを感じてもらえると思います。

 カタログ数値では新型1270kg、旧型1240kgとなっていますが、重量物が外側にないので、慣性モーメントも減っています。

 ハンドルを切ってから、ヨーモーメントが立ち上がるまでが早いので、数字とは違い、「あれっ、こんなにクルマ軽かったっけな?」と思うはずです。

旧型より重量が増えても、思わず「あれっ、こんなにクルマ軽かったっけな?」
旧型より重量が増えても、思わず「あれっ、こんなにクルマ軽かったっけな?」

 ふたつ目は、新型BRZはアルミ製のフロントアクスルハウジングを採用していることです(新型GR86は鋳鉄製)。これによりばね下重量が従来比で1.5kgも軽減されています。

 一般的に「バネ下1kgの軽量化は、バネ上(つまりボディ)10kgの軽量化に相当する」と言われていますから、新型はかなりの軽量化を果たしていると言えます。

 三つ目が、リアのアンチロールバー(スタビライザー)をボディ直付けに変更したことです。この技術はSGP(スバル・グローバル・プラットフォーム)を採用したインプレッサやレヴォーグでも使われているスバル独自の技術になります。

 旧型では樹脂製のブッシュが入っていたので、どうしても無駄な動きが発生してしまっていましたが、新型ではその点が改善され、しっかり耐えてくれるようになりました。

 ここまで挙げた変更点のおかげで、ハンドリング性能、そして限界性能が飛躍的に向上していて、オーバーステアにもアンダーステアにもなりにくくなりました。

ステアリングに使っている革が凄く自然に手になじんでくるところがお気に入り! 
ステアリングに使っている革が凄く自然に手になじんでくるところがお気に入り! 

 路面も悪いし、夕方には雨も降る難しいコンディションのなかでも、ドライとウェットでペースが変わることなく走らせることができたのが、それを証明しています。

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