2021年9月14日、日産GT-Rの2022年モデルが発表された。同時に特別仕様車の「GT-R プレミアムエディション Tスペック」とGT-Rトラックエディションエンジニーアードバイニスモ Tスペックが両モデル合わせて、限定100台で抽選販売された。
街で見ることはないと思われていた超レアモデルに試乗インプレッションをすることができた。R35型GT-Rの集大成といわれているモデルの実力は一体どのようなものなのか。
文、写真/萩原文博
【画像ギャラリー】爆上がり決定のR35型GT-R Tスペックの詳細画像を紹介(25枚)画像ギャラリー年々進化し、誰もが楽しめるマルチパフォーマンススポーツカーに
2022年モデルに設定された特別仕様車の「GT-R プレミアムエディション Tスペック」を運転していて脳裏に思い浮かんだのは、2007年にGT-Rが登場したときの「誰でも、どこでも、どんな時でも最高のスーパーカーライフを楽しめる」というコンセプトを具現化したマルチパフォーマンス・スーパーカーであるという水野さんの言葉だった。
デビュー当初のGT-Rはサーキットのようなクリーンな路面では圧倒的なパフォーマンスを発揮できたが、工事による継ぎ目があったり轍があったりなどアンジュレーションの酷い公道では、私ぐらいの腕では真っ直ぐ走らせることも大変なマシンだった。
しかし、GT-Rは毎年のように改良が施され進化を遂げていく。そして、CPS(チーフプロダクトスペシャリスト)に田村宏志さんが就任すると、GT-Rはこれまでの公道を走れるレーシングカーからサーキットを走れる最強のロードカーへと変貌した。
四輪特にリアタイヤの接地感を感じられるようになり、アンジュレーションのある公道でも安心してアクセルを踏むことができるようになった。それはサーキットモデルとしてNISMOが設定されたことで、より公道を楽しく操れる仕様になったからだ。
2016年に発表された2017年モデルでは内外装だけでなく、ボディにまで手が加えられた。エンジン出力も向上したが、最高出力500ps以上あるクルマとは思えない程の扱いやすさがGT-Rの魅力となった。
さらに2020年モデルでは、GT-R NISMOに搭載している、ターボ高効率化技術「アブレダブルシール」を採用しレスポンスを向上。街乗りでの加速でもこの効果を味わうことができ、操る楽しさをどんな速度域でも味わえるようになった。
そして今回試乗したのは、2022年モデルに設定された特別仕様車の「GT-R プレミアムエディション Tスペック」だ。R34型スカイラインGT-Rの最終モデル「ニュル」に採用されたボディカラーのミレニアムジェイドを纏っている。
個人的にはこのミレニアムジェイドのボディカラーを見ると、これがファイナルモデルであるというメッセージに感じられて少々寂しい気持ちになった。ちなみにT-スペックは“Trend Maker”そして“Traction Master”が由来となっている。
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