立体駐車場に入る!! 貴重な「ちょうどいいSUV」決戦ノートクロスオーバー対CX-3

立体駐車場に入る!! 貴重な「ちょうどいいSUV」決戦ノートクロスオーバー対CX-3

 現在、ブームとなっているSUV。スポーツ・ユーティリティ・ビークルと言うだけあって、アウトドアなどアクティブに使われるイメージが強い。

 しかし、実際にはこれまでのミニバンやセダンに代わってファミリーカーとして使われることが多く、悪路走破性を追求した4WDではなく、街乗り志向の2WDをチョイスするユーザーが多く、筆者もその1人である。

 そこで、ここでは全幅1,800mm以下、全高1,550mm以下という都市部に多い立体駐車場に対応した街乗り国産SUVの2車種、日産ノートオーテッククロスオーバーとマツダCX-3のインプレッションを紹介する。

文、写真/萩原文博

【画像ギャラリー】立体駐車場に入るマツダ CX-3、日産ノートオーテッククロスオーバーの詳細を画像で紹介(22枚)画像ギャラリー

立体駐車場に対応した優れたパッケージの2台

街乗り国産SUV一気乗り CX-3vsノートオーテッククロスオーバー
CX-3 XDスーパーエッジーの走行シーン

 マツダCX-3は現在のマツダ2(旧デミオ)、日産ノートオーテッククロスオーバーはノートの派生モデルのSUVだ。同じようなモデルとして、ホンダフィットのクロスターがあるが、2WD車の全高は1,545mmとクリアしているが、4WD車は1,570mmと1,550mmを超えているため今回は除外している。

 CX-3はマツダ2、ノートオーテッククロスオーバーはノートと人気のコンパクトカーをベースに、外観はホイールアーチにガーニッシュやクラッディングと呼ばれるカバーをはじめとした装飾品を装着。そして専用サスペンションなどにより最低地上高を高めている。

 こうしたカスタマイズによってレンタカーやカーシェアなどに使用され、見慣れているコンパクトカーと差別化を図るだけでなく、アクティブな雰囲気を漂わせつつ、非日常感そしてオシャレさを主張するのである。個人的にはこの非日常感やアクティブな雰囲気という「こんなこともできるかも」という可能性を感じられることが、こういったクルマの魅力だと思っている。

 まずは2015年2月に登場し、丸7年が経過したマツダCX-3から。マツダ2(旧デミオ)をベースとしたCX-3のコンセプトは、「次の時代のスタンダードを創造する」で、都会からアウトドアまで、どんなシーンにも相応しい1台として、既存の価値観にとらわれることなく、他人とは違う自分らしさを表現できるクルマに仕上げられている。

 ボディサイズは全長4,275mm×全幅1,765mm×全高1,550mm。外観は伸びやかなキャビンとショートオーバーハング等により、圧倒的な存在感のあるプロポーションが特徴。

 一方のインテリアは、ドライバーオリエンテッドなコクピットやソフト素材を採用した高級感漂う空間を演出している。さらに、見晴らしのよさ、安心感、乗り降りのしやすさなど、様々な条件の中から最大の価値を生む最適な着座位置を追求し、どんな体格の人でも理想のドライビングポジションを確保しやすく、運転しやすいクルマに仕上げられている。

 CX-3に搭載されているエンジンはデビュー当初、1.5L直列4気筒ディーゼルターボエンジンのみだったが、2017年6月に2L直列4気筒ガソリンエンジンを追加。そして2018年にはディーゼルターボエンジンの排気量を1.5Lから1.8Lへと変更。さらに2020年の一部改良で2Lガソリンエンジンが廃止され、1.5Lエンジンへと変更されている。

 現在、CX-3に搭載されているパワートレインは1.8L直列4気筒ディーゼルターボエンジン+6速MT/ATと1.5L直列4気筒ガソリンエンジン+6速ATとなっている。

 今回試乗したのは、2021年10月の一部改良の際に設定された特別仕様車スーパーエッジーの1.8Lディーゼルターボエンジンを搭載したXDだ。このスーパーエッジーは1.5Lガソリン車にも設定されており、車両本体価格は1.5Lガソリン車が249万1500円~273万3500円。1.8ディーゼルターボ車は297万円~321万2000円となっている。

 CX-3スーパーエッジーの特徴は、ピラーからルーフにかけてのボディ上部をブラック塗装した2トーン仕様を採用。さらにホイールを含むバンパーから下のボディ下部を艶感のある黒で引き締める事で、流麗でエレガントな躍動感を演出している。

 しかもスーパーエッジーは、前後のホイールアーチ部分をカバーするクラッディングなどにグロスブラック塗装を施すことで、アウトドア感が薄まり、よりオシャレな雰囲気が漂っているが特徴だ。

 インテリアは黒を基調に、ダッシュボードやドアトリム、フロントシートバックなどに白を配色。シートの背面の中央部分や座面、エアコンルーバーリングには、アクセントカラーとしてカッパー(赤銅)色を用いて上品さを主張。

 さらにシート素材には、座面・背面の中央部分には手触りの良いスエード調人工皮革・グランリュクス。そしてサイドサポート部部には滑らかな質感の人口皮革を使用している。

 CX-3は登場してから7年という月日で、走行性能や安全性能をアップデートしてきた。その甲斐もあって、車高の高さを感じさせないフラットな乗り味が特徴だ。カーブを曲がる際でもロール量は抑えられていて、非常にスムーズな運転をドライバーのスキルに関わらず行うことができる。

 スタイリッシュなデザインにしたことでマツダ2よりラゲッジスペース容量が少ないこと、運転支援システムに車線維持機能がないことなど物足りない部分はあるが、ペダルレイアウトなど運転のしやすさは特筆している。

 またクロスブラック塗装を施した2トーンカラーのボディ、特に新色のプラチナクォーツのボディとブラックのコントラストはCX-3のシャープなボディをより引き立てていて、非常にオシャレだ。

 街乗り中心というのであれば、1.5Lガソリン車でも満足できると思うし、ディーゼル車は、高速道路などロングドライブが多い人向けだろう。

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