立体駐車場に入る!! 貴重な「ちょうどいいSUV」決戦ノートクロスオーバー対CX-3

専用サスによりリアのふわふわ感が解消

街乗り国産SUV一気乗り CX-3vsノートオーテッククロスオーバー
ノートオーテッククロスオーバー4WDの走行シーン

 続いては、2021年の日本のカー・オブ・ザ・イヤーで三冠を達成した日産ノートのオーテッククロスオーバー。このモデルはコンパクトカーのノートをベースに、オーテックブランドのコンセプトである「プレミアムスポーティ」とSUVの機能性やスタイルを融合させたコンパクトクロスオーバーモデル。

 ボディサイズは全長4,045mm×全幅1,700mm×全高1,545mmと取り回しのしやすい5ナンバーサイズで2WD車だけでなく、4WD車も立体駐車場に対応している優れたパッケージングが魅力だ。

 外観はオーテックブランド車共通のドットパターンフロントグリルをはじめ、専用のブルーに輝くシグネチャーLED、メタル調フィニッシュのドアミラーなどを採用。さらに、専用サスペンションやタイヤの大径化により地上高を145mm(4WD車は150mm)へとベース車から25mm拡長し、雪道などでの対応力を向上させている。

 インテリアは、柔らかな手触りで体に馴染むレザレットのシート地や、鮮やかな木目が特徴的なインストルメントパネルを採用。全体をブラック基調とし、上質な素材とこだわりのディティール表現とともに機能的な雰囲気も演出している。

 ノートオーテッククロスオーバーの車両本体価格は253万7700円~279万6200円。今回試乗したノートオーテッククロスオーバー4WDはオプションのオーロラフレアブルーパール(3万8500円)そして、インテリジェントビューモニターやプロパイロット、ETC2.0などのセットオプション(44万2200円)。そして、クリアビューパッケージ(2万2000円)のメーカーオプションに加えて、16万4861円のディーラーオプションが装着され、合計346万3761円となっている。

 これまでベース車のノートは2WD、4WDともに試乗したが、リアのサスペンションの上下の収まりが悪いため、落ち着きがなく運転していても不満に感じていた。フロントシートでこれだけ不快に感じるのだからリアシートの乗員はどれくらい不快なのかと考えていたからだ。

 しかし、専用のサスペンションとタイヤを装着したノートオーテッククロスオーバーの走りは、ノートでの不満を見事に解消していた。最低地上高は25mm高くなっているが、腰高感がないだけでなく、リアサスペンションの上下の落ち着きのなさはなくなっているのである。

 さらに特筆したいのが、ソフトな感触のレザレットを採用したシートの座り心地の良さ。ドライバーの体を包み込むようにホールドしてくれるので、ロングドライブしても疲れにくいのが魅力だ。

 これまでならば2WDで十分と言いたいところだが、このノートオーテッククロスオーバーは4WD車がオススメだ。走行安定性の高さは雪道だけでなく、舗装された一般道や高速道路でも十分味わうことができる。

 車両重量は重くなり、燃費性能も2WDより悪化するというデメリットはあるが、リアに高出力のモーターを搭載したベネフィットはデメリットを大きく上回る。オプションのプロパイロットの制御も抜群で、ロングドライブもまったく苦にならない。

 同じ都会派SUVのCX-3とノートオーテッククロスオーバー。2台とも先進の安全装備を装着すると価格帯もほぼ同じとなる。街乗り中心という人ならばCX-3スーパーエッジー。街乗りから高速まで使用し行動範囲の広い人には抜群の走行安定性を誇るノートオーテッククロスオーバー4WDがオススメだ。

 もう少し早くノートオーテッククロスオーバー4WDが出ていたら、愛車になっていたかもしれないと思うほどの実力。ホント彼女とクルマは巡り会いのタイミングが大切だと実感した。

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